トーキング・マイノリティ

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ネットが荒れるワケ

2022-12-28 21:30:09 | マスコミ、ネット

 日々の暮らしにおける情報収集には大変便利でも、トラブルも少なくないネット。炎上やら個人情報漏洩、誹謗中傷に悩むネットユーザーも少なくない。Twitterで迂闊に失言、バッシングされるのは著名人に留まらず、一般庶民が標的になることが当たり前となった。今では炎上といえばTwitterが殆どだが、かつては2ちゃんねる等のネット掲示板が炎上の場だった。

 過去記事にも書いたが、私は2003年から翌年初め頃まで2ちゃんねるをしていたことがある。私がアクセスしていたのは歴史や映画、宗教板が中心で、「粘着香具師のたまり場」と呼ばれたニュース速報などに比べればずっとマトモな書込みが大半だった。それでも一部異常な書込み主は常駐していたし、この掲示板で朝から晩までネット浸りの“ネット廃人”がいることを知った。
 炎上や暴言をするのは総じて“ネット廃人”が多く、掲示板の空気が荒れることはしょっちゅう。その雰囲気を嫌って2ちゃんねるを止めた人もいたし、私もその一人だった。あるニュースまとめサイトでも、夜の時間帯の2ちゃんねるはネット廃人が手招きしているようだ、という書込みを見たことがある。

 ネット廃人には方々のサイトを荒らしまわる者もいて、7月末から拙ブログのコメント欄を閉鎖したのもそのため。この荒らしは、「mugiは5ちゃんねるをしている……」と書いていたことがあり、典型的なネット廃人だった。己がしているから他人も同じと思い込む未成年レベルの願望投射でもあるが、5ちゃんねるでもさぞ荒らしまくっていたのだろう。
 この者は九州在住の歴史ブロガー「鳳山雑記帳」さんの元にも連日出没、一日何度も同じ嫌がらせコメントを延々と書き込んでいたこともあったという。但し正体はおっさんニートに過ぎず、他にすることがないのだ。小人閑居しての見本であり、親がかりでも親が死ねば遺体を放置するタイプだと見ている。

 掲示板に限らず匿名ゆえにネットではデマや暴言が飛び交いやすく、有識者はネットの匿名性を厳しく批判する。実名を出している管理人の中にも罵詈雑言に興じている者が一部いるが、悪罵の対象となっているのは管理人とは直接交流のないケースばかり。やはり面識がある相手には誹謗中傷はし難いのだ。
ネットで「過激な発言」ばかり目に入る根本理由」というコラムがある。コラムでは「ネットが持ってしまっている根源的な特徴」として次の4つが挙げられていた。
①「極端な人」はとにかく発信する
②ネット自身が「極端な人」を生み出す
③非対面だと攻撃してしまう
④攻撃的で極端な意見ほど拡散される
 
 ネットには「発信したい人しかいない」という特徴がある、というコラムニストの指摘はハッとさせられた。一ブロガーとしても耳が痛いが、元からネットにはそうした傾向があったということ。
 作家でもあるアルファブロガー鈴木傾城氏は、記事「Twitterを買収したイーロン・マスクは果たして人類を救うことができるのだろうか?」で、「SNSは人々を激しく対立させる言論暴力の場」」とズバリ言いきっている。記事には政治的な発言はせず、趣味や日常を淡々とツイートしていた鈴木氏の知り合いが、絶え間ない誹謗中傷を嫌い、ついにはTwitterのアカウントを消し去ってしまったことが載っている。

 殊に2022年11月19日付の鈴木氏のツイートは考えさせられた。
フェイク、暴言、皮肉、誹謗中傷、八つ当たり、吊し上げ、糾弾、妄想、電波、詐欺、炎上、対立、衝突、内ゲバ、潰し合い、自画自賛、プロパガンダ、言論誘導を増幅・拡散させるのがSNS。こういうのはアクセスが取れるし、荒廃した世界が好きな人も多い。これを煽るのがSNS企業の隠れた仕事でもある

 SNSが「言論暴力の場」と化すのは、一部の歪んだネットユーザーのためばかりではなかった!SNS企業としてはアクセスが取れ、広告収入もアップする。ネットが荒れる背景には商業主義もあったのだ。SNS企業がフェイクの取り締まりに消極的だったのも当然だ。

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