背景:
米国における髄膜炎菌serotype Bの罹患率は100,000人中0.16だが、1歳未満では3.08となる。
英国等の欧州のいくつかの国における罹患率は米国の約10倍にもなる。
Serotype B polysaccharideはヒトの神経細胞糖ペプチドと類似しているため、ヒトにおける免疫原性に乏しかった。
新しいワクチン(multicomponent serogroup B meningococcal vaccine: 4CMenB) は免疫を誘導するためのfactor-H binding protein (fHbp), Neisserial adhesion A (NadA) and Neisseria heparin binding antigen (NHBA)の3つの新たな抗原をNew Zealandの流行株 NZ98/254のouter membrane vesicle(OMV) に結合させたワクチン。
方法:
1885人の乳児に2, 4, 6カ月、2, 3, 4カ月の2通りの方法で定期接種と並行してまたは分けて接種を行った。
エンドポイントは3回目のワクチン接種30日後のserogroup Bに対するhuman complement serum bactericidal activity (hSBA) 抗体価の上昇。
結果:
fHbp, NadAに対する免疫原性(抗体価の上昇)は、ワクチン接種者の99%に認め、OMVに対する反応はワクチンスケジュールにより79%, 81.7%で認めた。
定期接種によるワクチン効果の減弱は百日咳ワクチンのpertactin、ポリサッカライド肺炎球菌ワクチンのserotype 6Bを除いて認めない。
安全性は他の定期接種ワクチンとほぼ同等であるが、接種後の発熱が多く6人が発熱のために入院、1人に熱性痙攣を生じた。
解釈:
病原性のある菌のstrainは国によって異なるが、4CMenBワクチンは欧州で約76%のstrainに効果があるとされる。
ワクチンの効力の持続期間についてはGMTsが重要であるが、ワクチン効果の持続期間は国によって流行している菌株の特徴によって異なるかもしれない。
他のコンジュゲートワクチンとの比較がされておらず、serotype Cで認めたような鼻腔保菌に対する予防効果や集団免疫の効果はないかもしれない。
追加接種による効果も不明。
疫学的流行地域では接種が推奨されうる。
References:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=22318278
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22318284
2013/01/22
ノバルティスの髄膜炎菌 serotype Bに対する不活化ワクチン、Bexsero®がEUで承認されました。
http://www.novartis.com/newsroom/media-releases/en/2013/1672036.shtml
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