食べ過ぎに歯止めをかけ小食になる方法

2007年06月07日 00時15分18秒 | Weblog
食べ過ぎに歯止めをかけ小食になる方法

 今の若い女性は値の張るブランド物の洋服を買ったり、海外旅行に行ったりして、おしゃれや遊びには惜しみなくお金を使うようですが、そのしわ寄せをくっているのが普段の食事のようです。

お腹が一杯になりさえすればいいと、食事代をケチってラーメンを食べたり、でき合いのお惣菜ですませたりするのでは、あまりにもわびしいと思いませんか?

 たまにはちょっと洋服代を節約して、もう少し食生活にお金をかけてもいいのではないでしょうか。決してグルメになれというのではなく、もうちょっと、食生活を大事に考える聡明さをもってほしいということです。本当の美しさは、デザイナーズブランドの洋服で身を飾ることより、まず健康であることから始まるのですから。

 その一方で、食べることにこだわりすぎて、つい食べ過ぎてしまう、これも問題です。現代の人間の生活で、不健康になる1番の原因は何かというと、ほとんどの場合は食べすぎではないかと思うのです。食べ過ぎによって病気になるという事実を、みなさんひとりひとりが正しく認識しないといけません。

 これがわからない限り、病気から逃れることはできないのです。特に現代の女性は食べすぎになりがちです。女性が働くようになると、自分の自由になるお金が出来ますね。このお金、何に使うのでしょうか。さっき述べたように洋服にお金を注ぐか、食べる方に注ぐか、この2つが大きいと思うのです。

 男性はストレスがたまるとお酒に向かいますが、女性はつい食べることでストレス解消をはかろうとします。フランス料理やケーキの食べ歩き、そして間食や夜食・・ストレスがたまればたまるほど、たくさん食べたくなるのです。自由になるお金とストレス、働く女性にとって食べすぎの条件はそろっています。

 食べ過ぎると乳酸がたまるために体が酸化して硬くなります。筋肉が緊張して血圧が高くなります。つまり、筋肉の緊張によって血管が細くなり、血液が流れにくい状態になって、心臓の鼓動を早くし、血圧を高くするのです。

 また体が緊張すると短気にもなります。食べすぎと緊張、高血圧、短気―この一連の関係を、情緒的な面と肉体的な面の両方から認識しておく必要があります。食べたものが栄養になるかならないかということには、非常に個人差があります。「この食品は何カロリー」と食品中のカロリーを計算しているのが今までの栄養学でしたが、じつはそういうことはあまり意味がないのです。というのは、食べ物は食べ方によって毒にも薬にもなる。その栄養が全部吸収されるか、下痢して全て出してしまうかは、消化液が充分バランスよく出て消化が順調に進んでいるかどうかにかかっています。

 食べ過ぎると緊張する、といいましたが、緊張すると横隔膜があがり、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いということは、つまり酸素を沢山取り込めないことになりますね。栄養を吸収するというのは、食品の中の栄養素を酸化していくことを意味します。酸化とは文字通り、栄養素が酸素と結びつくことですから、酸素がたっぷりあればこの吸収がスムーズにいく。逆に酸素不足だと、エネルギーは不完全燃焼になってしまうというわけです。

 寒い地方では昔、だるまストーブというのを使っていました。早く部屋を暖めようと、コークスや石炭を沢山入れる。けれど、たくさん入れすぎると、それを全部燃やすための酸素が不足して、燃え残りがいっぱい出る上に部屋も温まりません。不完全燃焼をおこしているわけです。現代人の食べ方は、この状態と同じことなのです。食べ過ぎれば食べ過ぎるほど酸欠状態になって、燃え残り(乳酸)を沢山つくっているのです。

 また、どんどん食べ物をつめこんでいくと、消化が追いつかず、たんぱく質の腐敗発酵したものが腸の中にたまっていきます。つまり便秘の状態ですね。便秘のことは後で詳しくお話しますが、異常発酵した腸内で毒素がたくさんつくられていきます。この毒素が体内に運ばれて、肝臓や腎臓など大切な臓器の機能障害をおこすのです。このように、食べすぎは健康を害するもとになっています。つまり、食べる量を減らせば、それだけ体の調子もよくなるということになります。

 これは極端な例になるかもしれませんが、昔も今も、禅宗のお寺などで修行をしているお坊さんは1日2食ぐらい、それも現代人にとってみれば大変少量しか食べていません。精神を鍛える、という意味もあるのでしょうが、それ以上に健康な体づくりにはこの小食は不可欠のものだからです。

 食事の内容もたいへん参考になります。麦を沢山入れたごはんやおかゆを主食にし、おかずは山菜やゴマ、豆類など。いずれも繊維質をたっぷり含むものばかりです。こういった食事をとっていると、いつも繊維質が腸を通過して、腸内の掃除をしてくれるのです。そのうえ、食べる量自体が少ないですから、余分な食べかすが腸内にたまることもありません。まさに理想的な健康食というわけです。「でも食べる量を減らすなんて…。おなかがすくとかえってイライラしてきちゃうんじゃないかしら」そう思う人も多いでしょうね。けれどもこれは慣れにも左右されます。「空腹だから何か食べろ」という信号は脳から発令されます。が、食べすぎに慣れてしまうと、本当に空腹でなくても「食べろ」という信号が出てしまいます。

 お昼休みに昼ごはんを食べる習慣がありますね。朝食をたっぷり食べて、お昼になってもお腹が空いていない。それなのに、「ああ、お昼休みだ」と思うだけで、なんだかお腹が減った気になってしまうのです。お昼をたっぷり食べても3時ごろになると、「おやつ、おやつ」と思ってしまう。だから、ふだんちょっと食べすぎかなと思う人は小食を心がけた上で、ほんとうに空腹を感じて食べたいと思った時に食べる、この方法が良いように思います。人間の体は不思議なもので、自然の状態では、今その人の体に1番足りないものを摂取しようとするのです。「みかんが食べたいな」と思う時は、ビタミンCなどみかんに含まれる栄養素が不足していることを示しています。

 こういった体の本来の働きをないがしろにして、食べることが習慣化した現代人に病気が多いのもうなずけることです。「あっお昼や休みだ。ごはんを食べよう」ではなく、「やっとほんとうにお腹が減った。さあご飯の時間」というように、自分の体に正直になって食習慣を変えるよう、努めてみてはいかがでしょう。
(2007年5月9日 読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/kenkou/20070509ok02.htm

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