タイの貧しい子供たちに対する支援活動をしている市民グループ、「タイの子供たちを支援する会」の村田静代さん=大阪市在住=からお便りをいただいた。ある日、両親が大都会のバンコクで働き、スリン県の田舎で姉弟3人で暮らしている子供から援助を求める手紙が、村田さんらの元に届いたそうだ。姉弟の自宅を訪れると、トイレがなく、思春期の中学生の姉は、囲いもないところで用を足しており、「夢はトイレを持つこと」だ、と打ち明けられた。
別のボランティアの女性が「勇気を出して言うことは決して恥ずかしいことではない」と語りかけると、姉は大粒の涙をこぼしたそうである。
経済発展の下、バンコクでは、携帯電話を駆使し、いくつもの外国語を習う小学生も見受けられる。一方で、子供を田舎の親類に預けて都会で薄給にあえぐ庶民も少なくない。先月のこの欄で紹介した、タイの貧富の格差があまりにも大きいという話には、村田さんから同感してもらった。
日本とタイは単純には比較できないし、日本にも生活苦にあえぐ人はいる。日本ではしかし、格差社会について国会で論戦が交わされている。「日本ほど恵まれている国はあまりないのでは」という村田さんのご意見には、こちらも同感だった。(岩田智雄)
(2007/02/16 08:25)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070216/wld070216002.htm
日本が恵まれているのはわかっているのに、なぜこうも俺は心が狭いのだ。