面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

検察は不起訴の理由を明らかにするべきだ

2023-07-07 18:46:10 | 政治
検察が不起訴の理由を明らかにしない事例が激増している。

ネットで新聞サイトを見ても「社会」のカテゴリーはあまり見ないのだが、それにしても検察が外国人犯罪者を不起訴にするばかりで、これではせっかく警察が逮捕しても意味がないと憤っていた。同じことを考える人はそれなりにいるようで「検察はまた不起訴かよ」とのコメントが結構あった。

それでネット検索していると検察が不起訴の理由を明らかにしない事例が激増しているとの東洋経済の記事を見つけたのだ。

検察が起訴しないで不起訴にすれば事件はそこで終結だ。検察は殺人のような凶悪犯罪でも不起訴にすることがままある。だがその理由さえ明らかにしないのは秘密主義が過ぎる。司法エリートは国民に情報公開をしたくないのだ。それは一地検の方針ではなく明らかに検察庁上層部の方針だ。それは国民主権にも民主主義にも反しよう。政府は戦前から秘密主義が過ぎるのだ。

~~引用ここから~~
激増する「不起訴の理由が不明」記事が大問題な訳

激増する「不起訴の理由が不明」記事が大問題な訳

「検察は不起訴の理由を明らかにしていない」そんな決まり文句の付いた記事が激増している。不起訴になれば、公開の刑事裁判は開かれず、事件処理はそこで終わってしまう。...

東洋経済オンライン

 


「検察は不起訴の理由を明らかにしていない」

そんな決まり文句の付いた記事が激増している。不起訴になれば、公開の刑事裁判は開かれず、事件処理はそこで終わってしまう。殺人などの凶悪犯罪であっても容疑者が不起訴になれば、(検察審査会への申し立てなどがない限り)事件捜査の実相は水面下に潜ってしまうのだ。不起訴の理由は“謎”――。そんな状況が広がっていいのだろうか。

「嫌疑なし」と「起訴猶予」は天と地ほどの差
不起訴には主に「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」という3種類がある。

「嫌疑なし」は文字どおり、犯罪の容疑そのものがなかったという判断だ。捜査機関が集めた証拠には犯罪を証明するものがなかった。容疑者は無実であり、捜査が間違っていた可能性がある。

「嫌疑不十分」は、裁判で有罪を立証する証拠を十分に集められなかったケースなどを指す。

「起訴猶予」は、証拠に基づいて有罪を立証することは十分に可能だが、検察官の判断で起訴しないことを指す。罪の軽重や容疑者の境遇、被害弁済、示談成立などを考慮して、検察官はこの判断を下す。

同じ不起訴であっても、「嫌疑なし」と「起訴猶予」には、天と地ほどの差がある。したがって、不起訴が3種類にどれに該当するのかは、事件関係者だけでなく、地域住民らにとっても重大な関心事だ。

それにもかかわらず、不起訴に関する最近のニュースは、この3つの区分すら明らかになっていない。例えば、次のような記事だ。

暴力団員であることを隠して旅館に宿泊したとして、県警に詐欺容疑で逮捕された6代目山口組系「淡海一家」組員の男性(41)について、地検は15日、不起訴にしたと発表した。理由を明らかにしていない。(読売新聞2022年9月16日朝刊・滋賀県版)

服の一部を着けない姿の写真を女子中学生に送らせたとして、府警に児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ製造)などの疑いで逮捕された大阪市立中学校の男性講師(24)について、大阪地検岸和田支部は6日付で不起訴処分にした。理由は明らかにしていない。(朝日新聞2022年9月8日朝刊・大阪府内版)

(略)(注 画像をダウンロードできないので見たい人は東洋経済のサイトを見て欲しい)

近年は事件処理の7割が不起訴
日本の刑法犯は現在、毎年のように史上最少を更新している。警察庁のデータによると、2021年の認知件数は約56万8000件で、前年比7.5%減。戦後最少の更新は7年連続だった。2022年の上期も前年同期比0.8%減。これも戦後最少で、上期としては20年連続の減少だった。

主にネット情報を通じて得られる“体感治安”は別にして、日本はいま、空前の治安安定社会の中にある。上のグラフに示された起訴・不起訴(人数)がはっきりと減少傾向を続けているのもその反映だろう。

これに伴って、検察が不起訴を選択するケースも増加。近年では事件処理の7割が不起訴になっている。

こうした流れとは対照的に「不起訴理由が不明の記事数」は爆発的に増えている。グラフの折れ線に着目してほしい。2009年までは1年間に数件、あるいは十数件しかなかった「不起訴理由が不明の記事数」は2010年以降、明らかに増加トレンドに入った。増え方も激増という呼び名がふさわしく、2019年からは年間で2000件を超えるようになった。

では、不起訴の理由を示せていない記事とは、具体的にどのような内容だろうか。

(略)(注 画像をダウンロードできないので見たい人は東洋経済のサイトを見て欲しい)

見えてきた4つの重要ポイント
いかがだろうか。大雑把な内容を知るための表ではあるが、いくつかの重要なポイントは見えてくる。整理すると、「不起訴理由が不明」の記事には次のような傾向がある。

① 凶悪事件(殺人、強盗、放火、強姦)でも不起訴理由が不明のものが結構ある

② 警察官や教職員などの公務員、マスコミ関係者が目立つ

③ 地方版での掲載が多い

④ 文字数は100文字前後という「ベタ記事」が多い

凶悪事件が多かったり(①)、公務員やマスコミ関係者の記事が目立ったり(②)するのは、逮捕段階での記事が多いためだ。地方版の記事が多い(③)のは、そもそも当初からニュースバリューが低いと判断され、初報が地方版にしか掲載されていないためと思われる。

ただ、報道機関が「地方版ネタ」と考えたとしても、殺人などの凶悪事件の不起訴理由が“謎”のままでよいのだろうか。それも1件や2件というレベルではない。しかも、ほとんどのケースでは、第一報段階では容疑者の実名が報道されている。

例えば、5月28日の「殺人容疑の男性不起訴処分」という北海道版の記事は、3月に起きた母親刺殺事件の続報だ。

逮捕段階では、道警の発表に基づいて20代の男性容疑者は実名で報道され、事件の内容についても「自宅で母親の頭や顔などを刺して殺した」という趣旨が記されている。それなのに、札幌地検は不起訴理由を「明らかにしていない」で終わっている。嫌疑なしなのか(この場合はありえないと思うが)、嫌疑不十分なのか、起訴猶予なのかもわからない。

普通、起訴・不起訴の記事は「容疑者逮捕」「摘発」の続報だ。少年事件などを除き、報道機関は容疑者の実名を報じる。したがって、不起訴を伝える記事は、容疑者の名誉回復という意味も持つ。逮捕時に実名をさらされ、その後、「嫌疑なし」で不起訴になったのに、その事実が報じられないとしたら、当人の名誉回復もなかなかできないだろう。

そのため、報道各社は社内のガイドラインで「不起訴処分と発表されても、嫌疑はあるのか、あるいは嫌疑がないか不十分なのかなどを取材し、記事に反映させなければならない」(朝日新聞社「事件の取材と報道 2018」)などと定めている。

「嫌疑なし」と「起訴猶予」には天と地ほどの差がある。これら不起訴の種類すら報道できないのであれば、報道機関はその義務を果たしているといえるのかどうか。

理由の公表を拒む検察、突破できない報道機関
それにしても、なぜ、これほどまでに「不起訴の理由は不明」という記事が増えてきたのか。考えうるのは、不起訴理由の公表を拒む検察の姿勢と、それを突破できない報道機関の弱体化だろう。

2年前の2020年7月、読売新聞島根県版と山陰中央新報に興味深い記事が載っている。ベタ扱い程度の小さな記事だ。新しい検事正の着任を機に松江地検が方針を変え、不起訴の理由を原則として公表しない姿勢に転じたという内容である。両紙の記事を一部引用しよう。

松江地検が20日、不起訴処分の内容を公表しない方針に転換した。地検は「検事正が代わったため」とし、詳細な理由を明らかにしていない。松江地検はこれまで逮捕・送検された人を不起訴にした場合、報道機関に処分内容を明らかにしていた。(略)逮捕、送検された人の名誉回復、警察の捜査が適切だったかを明らかにする上で、処分内容の公表は重要な役割を果たしていた。(2020年7月21日、山陰中央新報)

地検は、逮捕・送検された容疑者を不起訴とした際、報道機関の取材に対し、これまでは「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」といった理由や内容を明らかにしてきたが、方針を一転させた形。三井田次席検事は方針変更について、「処分内容を公表したときに発生する人権侵害などを考慮した」と理由を述べた。(2020年7月24日、読売新聞朝刊大阪本社版・島根県版)

記者会見という公の場で不起訴理由の非公表方針を公言したケースは、記事になっていないだけでほかの地検でもあったかもしれない。記者会見で公言しなくても、非公開方針を旨とする地検はほかにも多々あろう。

検察組織の統一性や実際に「不起訴理由が不明」記事が激増している実態を踏まえると、非公表方針の考え方は検察組織全体で共有されていると考えていい。

もっとも、以前からこの問題は各地でくすぶっていた。

例えば、読売新聞は2013年3月20日朝刊(大阪本社版)で「不起訴の理由 非公表/逮捕者 名誉回復に影響」という大型記事を掲載。「検察庁が、事件の容疑者を不起訴にした際、『起訴猶予』『嫌疑不十分』などの種類や、その判断の理由を公表しないケースが相次いでいる」「(不起訴の)種類が伏せられると、犯罪に関わったのか、無関係なのかがわからない」と指摘した。

記事によると、大阪地検は2013年2月までの1年間、報道機関から不起訴に関する説明を求められた107件のうち約6割、65件で不起訴の種類を公表しなかったという。それでも、ほぼ全件について理由を説明しないという現在の姿勢ほど、検察はかたくなではなかったと思われる。

(略)
~~引用ここまで~~


省略部分はマスコミが検察の壁を突破すべきとの内容だが、私はマスコミに少なくとも新聞とテレビには期待していないので不起訴の理由を明らかにしない検察にマスコミが取材することによって明らかにすることは期待していない。それは政治がやるべきことだと考えている。

自民党は官僚とズブズブに癒着しているからやはり期待するのは難しいが、自民党の法務部会あるいは法務大臣以下政務三役が検察庁に不起訴にする場合は嫌疑なしなのか、嫌疑不十分なのか、起訴猶予なのかを明らかにするよう命令するべきだ。

不起訴不起訴不起訴。外国人犯罪もそうだが、殺人のような凶悪犯罪でも検察は簡単に不起訴にする。被害者や被害者遺族はどうなるのだ。司法エリートには「庶民」のことなど眼中にないのだ。できる限り隠すことが検察の方針なのである。

だがそれはおかしい。東洋経済の記事にもあるが、嫌疑なしと起訴猶予では天と地ほどに違いがあるからだ。その理由を明らかにしないのは容疑者が犯人なのか犯人ではないのかさえ違う。嫌疑なしなら誤認逮捕に近く、起訴猶予なら犯人だが検察の判断で罰しないということだ。それは明らかにする義務があるはずだ。

自民党にはあまり期待できないのだが、やはり政治が法律を制定するなり政令を変えるなりして不起訴の場合の理由を明らかにするよう義務付けるべきだ。

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