民主党の敗因と消費税の歴史

今更という気もするが、参院選の民主党の敗因を述べてみたい。

平成２１年７月２１日衆議院総選挙に大勝し、歴史的な政権交代をし民主党政権が誕生した。それは自民党政治に失望した国民が新しい民主党に「期待」して政治を託したからだった。

しかし３年３ヵ月後の平成２４年１２月１６日の衆議院総選挙で惨敗、「政権交代」という夢は徒花に終わった。

なぜなのか。やはり民主党に対する期待を裏切ったことが大きい。何かが良くなるはずだったが、何も良くならないどころか生活は悪くなる一方。これでは嫌気が差すのは当たり前だ。

それだけではない。政権交代時の衆議院総選挙では「任期中は消費税は増税しない」と公約したはずだった。それがどうしたことか。菅直人がいきなり参議院通常選挙の直前に消費税増税を公約にし、野田佳彦は小沢一郎とその派閥が離党することも構わず、自民党、公明党と妥協し消費税増税を無理やり可決成立させた。

これほど堂々とした公約破りは未だかつて見たことがない。しかもその公約破りをマスコミが賞賛するのだから救いがたい。公約を変更するときは国民の審判つまり選挙を経ることが大原則だ。その原則をこうも簡単に破り捨て、マスコミが批判するどころか賞賛するのだから日本は民主主義の程度が低いなどと言われるのも仕方がない。

細かく言えばいくらでも上げられるが、大きく分けるとこの二つが民主党政権の敗因だ。何人かの「識者」も似たようなことを述べている。（パクリではない。念のため）

民主党政権の対する期待は尋常でないものが合った。しかしそれに対して民主党が国民に対して行ったものは何か。国民に最悪の負担を強いる消費税増税だった。しかも根幹中の根幹であるはずの「任期中は消費税増税をしない」という公約を破っての。

こんなことをされては怒りでは済まない。もはや民主党という政党そのものに嫌悪感を感じている国民がほとんどだろう。代表以下民主党の構成員と労働組合など支持団体が全国を回り、汗を流し、喉を枯らしても支持が増えることなかった。民主党が獲得した票は労働組合の組織票だけと言っても過言ではない。それほど民主党は日本人の怒りと嫌悪を買ってしまった。

もはや民主党に支持が戻ることはないだろう。自民党がそれ以上の失政をすれば別だが、自民党は衰えたとはいえ強固な支持基盤を持っているし何より老獪な政党だ。失点を抑える術を知っている。とはいえ消費税増税を本当に実行した場合は票が逃げるだろう。次期衆議院総選挙前に結党されるであろう新党に。

消費税増税を実行してきた内閣、政党は必ず負けてきた。あるいは撤回を余儀なくされるか、内閣総辞職を迫られた。それが日本の政治、選挙の鉄の法則である。


初めて一般消費税を導入しようとした大平内閣。

大型間接税を導入しないと言ったあと早々に前言を翻し、国会に売上税を提出したが廃案となった中曽根内閣。

消費税を強行採決で導入したあと総辞職した竹下内閣。後継の宇野内閣で行われた参議院通常選挙で惨敗を喫し参議院で初めて単独過半数を失った。のちの下野の原因の一つでもある。

国民福祉税構想を掲げたあと即撤回に追い込まれ内閣が崩壊した細川内閣。

消費税を３％から５パーセントへの増税を決定した村山内閣。村山内閣総辞職ののち社会党の党勢は衰退する一方だった。現在では政党用件を失うかどうかというところまで来ている。消費税増税ではなく拉致問題を黙殺してきた、労働組合に見捨てられたなどの理由もあるが。

消費税増税を実行した橋本内閣は参議院通常選挙に敗北し内閣は総辞職した。

消費税増税を公約に掲げた麻生内閣は敗北し民主党に本格的な政権交代を許すことになった。

消費税増税をいきなり公約に掲げ敗北し粘ったものの退陣した菅内閣。

そして消費税増税を公約違反を承知で可決・成立させ「民主党」を終了させた野田内閣。


消費税増税を実行した内閣、政党は必ず追い込まれる。消費税増税は日本政治、選挙の鬼門なのである。

消費税増税を実行した場合、第二次安倍内閣も同じ道を辿るだろう。日本経済の崩壊と共に。

以上が民主党政権の敗因と消費税増税の歴史だ。

自民党の大勢、財務省、マスコミ、御用知識人は消費税増税に賛成だが、増税すれば政権と経済は崩壊する。安倍ちゃんが自身と日本にとって賢明な判断をすることを願う。


最後に時事通信が「「消費税」怒りの軌跡～導入そして増税～　写真特集」
という面白い写真集を載せているのでURLを記載する。

「「消費税」怒りの軌跡～導入そして増税～　写真特集」