*≪ 油彩画と水彩画のこと ≫)
同展を見ているといつも周りから聞こえるのが、「 これが水彩画なの!
油絵みたい! 」と言う感嘆詞です。
絵はおやりでない方、見るのだけは大好きだが等といった方々の如何にも
素人らしい極めて素朴な偽らぬ感想なのでしょう。
実は私も全く同感で、同じような感じを毎年抱いてしまうのです。
それにしても、絵の好きな人の多いのには、この会場に来る度に感心し
嬉しくなってしまいます。
美への憧憬とか創造性への感動とか言ったものは、人間、誰しもが持って
いる本態的なことなのでしょうか。
日本の昔からの絵画教育のなせることだと思いますが、「水彩画は子供か
学生が描く、又は大人の手慰みのもので、あくまでも油彩画の一段下の
位置にあり、それは手軽で、淡く薄く軽くそしてきれいであっさりしたもの
という風に私どもが中学生までに植え付けられた概念や風潮が、未だに
続いているような気がします。
例えば画廊などでの絵の値段が、同じ大きさ同じ作家の作品でも、水彩は
油彩の何分の一もしないという事実は、そんな風潮の表れと言えるのでしょう。
そうしたことに敢然とと挑戦し改革しているのがこの水彩連盟であるような
気がします。
今日はそんな中から、知人でもある7名の作者の7点を、等誠茅庵でも
陳列させて頂きました。
皆さん、長いキャリアで既にかなりのレベルまで行っておられる方ばかり
ですので、一寸私が批評や、コメントを挟む余地はありません。
従って何のコメントもなしか、せいぜい一寸した作者のご紹介の程度に
致しました。
会場の展示室番号の順に陳列致しました。
それではどうぞごゆっくりご覧下さい。