MTC Ensembleの演奏会にご来場いただき誠にありがとうございました。
当日、酒井さんが解説しましたように、第1ステージは過去に演奏した楽曲からセレクトしました。
第2ステージは、イタリアオリジナル、クラシックの名曲と酒井さんの曲を取り上げました。
今回の演奏曲目は下記のとおりです。
【第1ステージ】
《Suite "HIKARI"》は、「HIKARI,2014」、「KODAMA,2014」、「NOZOMI,2014」の3つの楽章で構成されています。最初に第1楽章の「HIKARI,2014」が作曲され、2014年にドイツの人気テレビ番組「Kalfee oder Tee?」で初演され、その後に続きの楽章が作曲されました。
第1楽章は放送局からの要請により1分30秒で終わるように作曲されており、残りの楽章もほぼ同じ長さで短く構成されています。2014年は東海道新幹線開通50周年の節目の年でしたが、特に新幹線を意識した作品ではありません。
《RURU》は、ポルトガルギターのパイオニア・湯淺隆とマンドリン奏者の吉田剛士のアコースティック・ ユニット、「マリオネット」の初期の代表曲のひとつで、事故で生死をさまよったシャンソン・カフェ「RURU」のマスターの快気祝いに贈った曲です。シャンソンとはフランス語で歌の意味で、フランス語圏以外ではフランス語で歌われる歌の意味で使われることが一般的です。
《「オペラ座の怪人」より》は、19世紀末のパリ・オペラ座を舞台に、美しい歌姫クリスティーヌ、彼女を慕う幼馴染の貴族ラウル、醜い顔を仮面で隠しているものの音楽の才能にあふれた怪人の3人をめぐる「愛」を描いたミュージカルです。
パイプオルガンが印象的な序曲から始まり、クリスティーヌの愛に心を動かされた怪人が、復讐や執着を捨て去って、クリスティーヌとラウルを開放し、姿をくらますクライマックスに至るまでの劇中歌をメドレー形式で演奏します。
【第2ステージ】
《海の組曲》は、イタリアのミラノで発刊されていたマンドリン誌イル・プレットロ主催の1908年作曲コンクールでマネンテの「メリアの平原にて」をおさえて一位に入賞した作品です。ギリシャ神話のなかで水に縁のある神々をイメージしたもので、イル・プレットロ誌には、各楽章ごとの作者の意図が次のように記されています。
第一楽章 (ナイアーデのセレナータ) Andante Grazioso
海に神秘の夜が来ました。静かな海は妖精の世界となり、ナイアーデたちは歓び勇んで飛び回っています。
第二楽章 (オンディーナの踊り) Allegretto
オンディーナたちは踊ります。妖艶なその舞は魅惑と夢幻に満ちています。
第三楽章 (シレーナの唄) Andante
身の危うさも分からず船人たちは美しいシレーナの唄に迷い、深い安らかな眠りを貪ります。
第四楽章 (トリトーネのフーガ) Allegro vivace
舵のとれない船は激しい波にもまれ今や危機に瀕しています。トリトーネは海を鎮めながら船人たちを救うように貝を吹き鳴らしつつ右に左に駆け回ります。
《管弦楽組曲第3番》は、2曲目のアリアが「G線上のアリア」として知られており、バッハの4つある管弦楽組曲の中でも有名な作品です。
当時、流行していたフランス生まれの組曲形式をとっており、序曲、アリアの後にガボット、ブーレ、ジーグの舞曲が続きます。
1 Ouverture(序曲)
華やかで祝祭的な気分が溢れ、中間部はきびきびとした速い動きを持つフーガになります。
2 Air(アリア)
息の長いすべての人の心を落ち着かせるメロディーを持つこの曲が「G線上のアリア」と呼ばれるのは、ウィルヘルミという人がヴァイオリン独奏版に編曲した際にヴァイオリンのG線(いちばん低い弦)だけを使ったためで、現在はいろいろなアレンジで演奏されています。
3 Gavotte(ガヴォット)
ガヴォットとはミディアム・テンポの舞曲で、4分の4拍子または2分の2拍子で書かれ、小節の半ばから始まります。バッハの作曲したガヴォットの中でも最も親しまれている曲の一つで、宮廷の式典を彷彿とさせるような高貴な雰囲気を持ちます。
4 Bourrée(ブーレ)
ブーレとは速いテンポの2拍子の舞曲です。本曲のブーレでもきびきびとした音の動きが特徴的です。
5 Gigue(ジーグ)
速いテンポの舞曲で、アイルランドで今日でも奏される舞曲ジグ(jig)に由来するといわれています。6/8のリズムが流れるように続き、最後は華やかな音(原曲ではトランペット)を交えて明るく結ばれます。
《そして、僕は、風になる》は、ギターマンドリン合奏団”meets”の 委嘱により作曲された曲です。2016年に早世した2人の女性に捧げた曲で、「マンドリン合奏のためのバガテル第2番」という副題がつけられています。
副題の「バガテル」というのは、本来は「とるにたらない、つまらないもの」という意味ですが、ベートーヴェンはピアノの小品に好んでこのタイトルを用いていたようです。人生は日々の「とるにたらない」出来事の積み重ねでできていますが、一見「つまらない」日常も少しずつ成長したり、あるいは突然に「大切な思い出」に変わったりします。
作者は、この曲をお聞きいただいたみなさんの心の中の邪魔にならないところに、小さな「思い出」としておいてほしいという思いを込めてこの副題を用いています。
【幕間】
カリキュラマシン
いとしのエリー
Ye Oh!~LA LA LA
勝手にシンドバット
楽屋ネタとしましては・・・
「海の組曲」は、原典の四重奏、国内のオーケストラ版の出版譜を眺めながら譜面作成ソフトで浄書を行いましたが、音使いや記号の表記が異なる箇所が散見され、思い切って編曲し直しました。
「管弦楽組曲第3番」、「そして、僕は、風になる」はあまりに手強いため、自宅での練習用に最後の練習の通しをビデオ録画してストリーム配信しました。となりの練習室でオーケストラの練習が行われており、バッハのバックで伊福部が聞こえるというカオスなものでした。こちらが勝手にシンドバッドの練習をしている際はオケがカオスになっていました。
当日、酒井さんが解説しましたように、第1ステージは過去に演奏した楽曲からセレクトしました。
第2ステージは、イタリアオリジナル、クラシックの名曲と酒井さんの曲を取り上げました。
今回の演奏曲目は下記のとおりです。
【第1ステージ】
《Suite "HIKARI"》は、「HIKARI,2014」、「KODAMA,2014」、「NOZOMI,2014」の3つの楽章で構成されています。最初に第1楽章の「HIKARI,2014」が作曲され、2014年にドイツの人気テレビ番組「Kalfee oder Tee?」で初演され、その後に続きの楽章が作曲されました。
第1楽章は放送局からの要請により1分30秒で終わるように作曲されており、残りの楽章もほぼ同じ長さで短く構成されています。2014年は東海道新幹線開通50周年の節目の年でしたが、特に新幹線を意識した作品ではありません。
《RURU》は、ポルトガルギターのパイオニア・湯淺隆とマンドリン奏者の吉田剛士のアコースティック・ ユニット、「マリオネット」の初期の代表曲のひとつで、事故で生死をさまよったシャンソン・カフェ「RURU」のマスターの快気祝いに贈った曲です。シャンソンとはフランス語で歌の意味で、フランス語圏以外ではフランス語で歌われる歌の意味で使われることが一般的です。
《「オペラ座の怪人」より》は、19世紀末のパリ・オペラ座を舞台に、美しい歌姫クリスティーヌ、彼女を慕う幼馴染の貴族ラウル、醜い顔を仮面で隠しているものの音楽の才能にあふれた怪人の3人をめぐる「愛」を描いたミュージカルです。
パイプオルガンが印象的な序曲から始まり、クリスティーヌの愛に心を動かされた怪人が、復讐や執着を捨て去って、クリスティーヌとラウルを開放し、姿をくらますクライマックスに至るまでの劇中歌をメドレー形式で演奏します。
【第2ステージ】
《海の組曲》は、イタリアのミラノで発刊されていたマンドリン誌イル・プレットロ主催の1908年作曲コンクールでマネンテの「メリアの平原にて」をおさえて一位に入賞した作品です。ギリシャ神話のなかで水に縁のある神々をイメージしたもので、イル・プレットロ誌には、各楽章ごとの作者の意図が次のように記されています。
第一楽章 (ナイアーデのセレナータ) Andante Grazioso
海に神秘の夜が来ました。静かな海は妖精の世界となり、ナイアーデたちは歓び勇んで飛び回っています。
第二楽章 (オンディーナの踊り) Allegretto
オンディーナたちは踊ります。妖艶なその舞は魅惑と夢幻に満ちています。
第三楽章 (シレーナの唄) Andante
身の危うさも分からず船人たちは美しいシレーナの唄に迷い、深い安らかな眠りを貪ります。
第四楽章 (トリトーネのフーガ) Allegro vivace
舵のとれない船は激しい波にもまれ今や危機に瀕しています。トリトーネは海を鎮めながら船人たちを救うように貝を吹き鳴らしつつ右に左に駆け回ります。
《管弦楽組曲第3番》は、2曲目のアリアが「G線上のアリア」として知られており、バッハの4つある管弦楽組曲の中でも有名な作品です。
当時、流行していたフランス生まれの組曲形式をとっており、序曲、アリアの後にガボット、ブーレ、ジーグの舞曲が続きます。
1 Ouverture(序曲)
華やかで祝祭的な気分が溢れ、中間部はきびきびとした速い動きを持つフーガになります。
2 Air(アリア)
息の長いすべての人の心を落ち着かせるメロディーを持つこの曲が「G線上のアリア」と呼ばれるのは、ウィルヘルミという人がヴァイオリン独奏版に編曲した際にヴァイオリンのG線(いちばん低い弦)だけを使ったためで、現在はいろいろなアレンジで演奏されています。
3 Gavotte(ガヴォット)
ガヴォットとはミディアム・テンポの舞曲で、4分の4拍子または2分の2拍子で書かれ、小節の半ばから始まります。バッハの作曲したガヴォットの中でも最も親しまれている曲の一つで、宮廷の式典を彷彿とさせるような高貴な雰囲気を持ちます。
4 Bourrée(ブーレ)
ブーレとは速いテンポの2拍子の舞曲です。本曲のブーレでもきびきびとした音の動きが特徴的です。
5 Gigue(ジーグ)
速いテンポの舞曲で、アイルランドで今日でも奏される舞曲ジグ(jig)に由来するといわれています。6/8のリズムが流れるように続き、最後は華やかな音(原曲ではトランペット)を交えて明るく結ばれます。
《そして、僕は、風になる》は、ギターマンドリン合奏団”meets”の 委嘱により作曲された曲です。2016年に早世した2人の女性に捧げた曲で、「マンドリン合奏のためのバガテル第2番」という副題がつけられています。
副題の「バガテル」というのは、本来は「とるにたらない、つまらないもの」という意味ですが、ベートーヴェンはピアノの小品に好んでこのタイトルを用いていたようです。人生は日々の「とるにたらない」出来事の積み重ねでできていますが、一見「つまらない」日常も少しずつ成長したり、あるいは突然に「大切な思い出」に変わったりします。
作者は、この曲をお聞きいただいたみなさんの心の中の邪魔にならないところに、小さな「思い出」としておいてほしいという思いを込めてこの副題を用いています。
【幕間】
カリキュラマシン
いとしのエリー
Ye Oh!~LA LA LA
勝手にシンドバット
楽屋ネタとしましては・・・
「海の組曲」は、原典の四重奏、国内のオーケストラ版の出版譜を眺めながら譜面作成ソフトで浄書を行いましたが、音使いや記号の表記が異なる箇所が散見され、思い切って編曲し直しました。
「管弦楽組曲第3番」、「そして、僕は、風になる」はあまりに手強いため、自宅での練習用に最後の練習の通しをビデオ録画してストリーム配信しました。となりの練習室でオーケストラの練習が行われており、バッハのバックで伊福部が聞こえるというカオスなものでした。こちらが勝手にシンドバッドの練習をしている際はオケがカオスになっていました。