豆を種う 南山の下、
草盛んにして豆苗稀なり。
晨に興きて荒穢を理め、
月を帯び鋤を荷って帰る。
道狭くして草木長び、
夕露 我が衣を沾らす。
衣の沾るるは惜しむに足らず。
但だ願いをして違うこと無からしめよ。
南山のふもとに豆を植えたが、畑には雑草がはびこり、豆の苗は情けない状態となってしまった。朝早く起きて雑草を抜いてまわり、月の光を浴びながら、鋤をかついで帰路につく。
狭い道には草木が生い茂り、着物は、夜露でぐっしょり濡れてしまった。着物が濡れるぐらいは段惜しいとも思わなぬが、どうかわたしの期待が裏切られず、豆が無事に育ってくれますようにと祈るばかりだ。
(岩波文庫 陶淵明全集 松枝茂夫・和田武司訳注)
わたしの畑
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