中村 元
訳者中村元がその解題で述べているように、神話的な潤色を除去して歴史的人物としてのブッダを究明するために、パーリ語の原文を批判的に邦訳した「大パリニッバーナ経」に、自ら解り易く「ブッダ最後の旅」という題をつけた。この「ブッダ最後の旅」の第一章は、「鷲の峰にて」から始まる。ブッダはここで、ヴァッジ族を征服しようとする大国マガタの国王の大臣でバラモンのヴァッサカーラに対して次のように説く。
『ヴァッジ人は、
①しばしば会議を開き、会議には多くの人々が参集する。
②協同して集合し、協同して行動し、協同して為すべきことを為す。
③未だ定められていないことを定めず、既に定められたことを破らず、往昔に定められた旧来の法に従って行動しようとする。
④古老を敬い、尊び、崇め、もてなし、そうして彼らの言を聴くべきものと思う。
⑤良家の婦女・童女をば暴力で連れ出し捉え留めることを為さない。
⑥内外の霊域を敬い、尊び、支持し、そうして以前に与えられ、以前に為されたる、法に適った彼らの供物を廃することがない。
⑦真人(尊敬されるべき修行者)たちに、正当の保護と防御と支持とを与えてよく備え、未だ来たらざる真人たちが、この領土に到来するであろうことを、また、既に来た真人たちが、領土のうちに住まうであろうことをねがう。
ヴァッジ人がこの7つをまもっているのが見られる限りは、ヴァッジ人に繁栄が期待され、衰亡はないであろう。』
大臣ヴァッサカーラ、応えて曰く。
『きみ、ゴータマよ。衰亡を来たさないための法の一つを具えているだけでも、ヴァッジ人に繁栄が期待され、衰亡はないであろう。況や、7つすべてを具えているなら、なおさらです。』
神話的な潤色を除去して、歴史的人物としてのブッダを究明するために「大パリニッバーナ経」というパーリ語のお経を邦訳してみるとこういう話になる、と、原始仏教の大家である文化勲章受賞 中村元は説き続けるのです。ここまで平べったくお経を邦訳されると、なんだか新鮮な味わいがあって釈迦の思想に一歩近づけたような気になる。
葬式仏教に慣れ親しんだわが身からすれば、お経というと何だか線香臭い。諦念の香りが漂うものだ。ところが、こういうお経の解釈の仕方もある。「お経」は「お教」ではない。暁烏敏(あけがらす はや)の対極にあるような仏典解釈。「ブッダのことば」「ブッダの 真理のことば 感興のことば」とともに当分手元から放せそうにない。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
訳者中村元がその解題で述べているように、神話的な潤色を除去して歴史的人物としてのブッダを究明するために、パーリ語の原文を批判的に邦訳した「大パリニッバーナ経」に、自ら解り易く「ブッダ最後の旅」という題をつけた。この「ブッダ最後の旅」の第一章は、「鷲の峰にて」から始まる。ブッダはここで、ヴァッジ族を征服しようとする大国マガタの国王の大臣でバラモンのヴァッサカーラに対して次のように説く。
『ヴァッジ人は、
①しばしば会議を開き、会議には多くの人々が参集する。
②協同して集合し、協同して行動し、協同して為すべきことを為す。
③未だ定められていないことを定めず、既に定められたことを破らず、往昔に定められた旧来の法に従って行動しようとする。
④古老を敬い、尊び、崇め、もてなし、そうして彼らの言を聴くべきものと思う。
⑤良家の婦女・童女をば暴力で連れ出し捉え留めることを為さない。
⑥内外の霊域を敬い、尊び、支持し、そうして以前に与えられ、以前に為されたる、法に適った彼らの供物を廃することがない。
⑦真人(尊敬されるべき修行者)たちに、正当の保護と防御と支持とを与えてよく備え、未だ来たらざる真人たちが、この領土に到来するであろうことを、また、既に来た真人たちが、領土のうちに住まうであろうことをねがう。
ヴァッジ人がこの7つをまもっているのが見られる限りは、ヴァッジ人に繁栄が期待され、衰亡はないであろう。』
大臣ヴァッサカーラ、応えて曰く。
『きみ、ゴータマよ。衰亡を来たさないための法の一つを具えているだけでも、ヴァッジ人に繁栄が期待され、衰亡はないであろう。況や、7つすべてを具えているなら、なおさらです。』
神話的な潤色を除去して、歴史的人物としてのブッダを究明するために「大パリニッバーナ経」というパーリ語のお経を邦訳してみるとこういう話になる、と、原始仏教の大家である文化勲章受賞 中村元は説き続けるのです。ここまで平べったくお経を邦訳されると、なんだか新鮮な味わいがあって釈迦の思想に一歩近づけたような気になる。
葬式仏教に慣れ親しんだわが身からすれば、お経というと何だか線香臭い。諦念の香りが漂うものだ。ところが、こういうお経の解釈の仕方もある。「お経」は「お教」ではない。暁烏敏(あけがらす はや)の対極にあるような仏典解釈。「ブッダのことば」「ブッダの 真理のことば 感興のことば」とともに当分手元から放せそうにない。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
これらは一神教の神ですよね。
仏教は神様ではなく仏様の信仰ですが神と仏ってどこがどう違うのでしょうね。
身近で宗教問題に直面してる方がいるのですがなんと言っていいものやら。
信教の自由は確かにあります。
しかし、それらが日本国の習いにそぐわないこともあるじゃないですか。
宗教って難しいですね。
〔「ほと」は「仏」の転、「け」は「気」の意か〕
(1)仏教の完全な悟りを開いた聖者。仏陀(ぶつだ)。覚者。
(2)特に、釈迦(しやか)のこと。
(3)仏・菩薩およびそれに準ずる優れた聖者・高僧。
(4)仏像や、仏の名号を記したもの。
(5)仏教。仏事。仏教徒。
(6)死者。死体。死者の霊。
(7)素直で善良な人物。
神(神)
人間を超えた存在で、人間に対し禍福や賞罰を与え、信仰・崇拝の対象となるもの。
(1)(ア)宗教・習俗において、信仰・崇拝・儀礼・神話・教義などの中心となる位格・存在。日本の神道や民俗の祭りでまつられる対象、またはユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの超越的絶対者。仏教では、仏や菩薩の権現・守護者などとされ、仏とは区別される。
「―に祈る」「―のお告げ」
(イ)哲学で、世界や人間の在り方を支配する超越的・究極的な最高存在。
(2)(ア)日本の神話で、神武天皇より前に登場する人格神。
「天地初めて発(ひら)けし時、高天の原に成れる―の名は/古事記(上訓)」
(イ)天皇。
「大君は―にしませば/万葉 235」
(ウ)人間に危害を加える恐ろしいもの。蛇・虎など。
Web辞書を引いてみました。