「あじさいロード」の紫陽花は今が盛りだというのに精彩を欠いていた。不満が燻るのでそのまま西中国山地の八幡高原をドライブした。臥龍山(苅尾)の麓から眺めた高原は濃い緑に覆われて青く澄みとおった空との境界が際立っていた。苅尾のブナ林は、木陰が優勢で静まりかえっていた。八幡高原はその昔、湖だったのだそうだ。太陽が燃える八幡湿原で金色の狸を目撃した。
じりじりと照らす太陽の光が心地よかったので深入山まで回って麓の日蔭からしばし山頂を眺めた。標高が1100mを超えるというのに、牧場のような山肌に常緑樹が殆ど見当たらない。深入山に寄りそう遠い山々を眺めただけで目の疲れがとれたような気がした。7月・8月は海の季節なのだろう、人影が驚くほど薄かった。盆休みや夏の特別休暇には、のんびりと八幡高原や深入山の山麓を散策してみたい。
何もかも忘れて休日の憩いに耽ることができるこの身の幸せに感謝している。今日は深入山の麓に沿って「あじさいロード」をドライブする。