旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

朝井リョウ著「何者」

2013年05月30日 21時52分04秒 | Weblog

 

 

                 ねて

仕事のヒントになるのじゃないかと思って、朝井リョウ著「何者」を買って過半を読み終えた。今年大学をでた著者朝井が、登場する同世代3人の男子学生と2人の女子大生の就活や日常生活、交流模様について小説仕立てで語る。近頃の大学生気質や文化について多くの情報を得た。

職業年輪を重ねた世代(わたし)からみれば、登場人物の職業観があまりに安直で、物足りない。それでも朝井の表現は的確で無駄がない。同世代の大学3年生や、就職支援にかかわっている人には一読を進めたい。この作品はこの1月に直木賞を受賞している。

読み比べるために、たまたま目に入った「三島由紀夫 十代書簡集」も買った。書簡の中で三島由紀夫は自らを語る。朝井リョウは小説の中で他者と時代の空気を語る。自分を語る三島の方に客観的な何かを感じ、他者や時代を語る朝井に一種の思い込みを感じる。