旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

団藤重光

2011年11月28日 18時35分32秒 | Weblog
単なる情報や知識ではない。私が生きてゆくための糧になるような種類の本しか手元に置かない。昨日は久しぶりにブックオフに寄った。知り合いの古本屋の経営者はかって「いい本が売れるとは限らない。お客さんに買ってもらえる本を置かないことには商売にならない。わたしはエロ本や漫画が好きではない。でも、商売のために売る。ここをわきまえないと古本屋は成り立たない。」と語った。それから10有余が経った。哀しくなるほどブックオフには古典がない。全集がない。学術書がない。専門書がない。いい本がない。ブックオフでは新書を買うことにしている。

三島由紀夫を魅了した刑事訴訟法の大家、団藤重光へのインタビュー「反骨のコツ」(朝日新書)のなかで、95歳の御大は愛情表現だとことわったうえで、父親、梓の期待と梓との対立の狭間で最後まで苦悩していた教え子、三島は「バカなやつ、かわいそうなやつ。」だと語っている。そして「仮面の告白」は、御大の刑事訴訟法理論を彼なりに文学的に表現したもので、そこから三島は形式美の世界にいってしまった。三島が、実体法である刑法理論の勉強をして政治や社会の問題にも本格的に取り組んでいたら、ああいう最後にはならなかったと結ぶ。

団藤 重光(だんどう しげみつ、1913年11月8日 - )は、日本の法学者。岡山県出身。正しくは「團藤重光」。東京大学名誉教授、元最高裁判所判事。1981年日本学士院会員、1987年(昭和62年)11月3日勲一等旭日大綬章受章、1995年文化勲章受章。



散策

2011年11月28日 10時09分43秒 | Weblog
朝方は忠犬ゴンタと散策した。緑が濃い鎮守の森、真亀神社を通って高瀬堰にでる。彼方には南原峡のダムを望む。快晴だ。黄と赤に彩られた山々を見渡す高瀬堰から、芸備線と三條川との間を縫うように走る原生林のトンネルに入る。左手は険しい崖だ。陽が昇った後も薄暗く川面を見下ろすと陽光が煌めいて静寂だ。

この静寂を切り裂くように小型車やバイク、自転車が通り過ぎる。そのたびにゴンタを引き寄せて道路脇にへばり付かねばならない。高瀬堰の土手から続く原生林のトンネルまでの約1キロを自然遊歩道にすれば良いと思う。道を遊歩道にするという計画が持ちあがっては消えている。この恵まれた自然の道端にはごみが散乱している。

自宅から原生林のトンネルを抜けるまでが約3キロ、通り抜けると間もなく菜園だ。ネギと季節はずれのピーマンを収穫した。菜園から1キロの坂道をのぼればわが家に着く。散策は終わった。のんびりと歩いたので愛犬ゴンタも満足したようだ。4回の脱糞と数えきれない放尿とマーキングをした。ゴンタは小屋に戻り、私の下着には汗がにじんで心地よい風が吹き抜けた。