旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

ベートーヴェンのフーガ 広島VAN演奏会

2010年03月14日 23時21分33秒 | Weblog
女友達に誘われて弦楽四重奏のコンサートに出かけた。演奏はベートーヴェンの「『大フーガ』 変ロ長調」「第1番 ヘ長調」「第16番 へ長調」だ。クラッシック音楽に明るいわけではない。だから、曲名を目にしただけで滅入りそうになった。自慢じゃないが、小学校時代に評価5が取れなかったのは音楽だけだ。

演奏1番の「大フーガ」は所要時間が16分に及ぶ超大作だ。本人がなぜ超大作なのかを理解していないので、正直にいえば「どうも超大作らしい。」ということになる。第一ヴァイオリンを担当する演奏者の解説によると、ハイドンやバッハの古典音楽に対抗心を燃やしたベートーヴェンが、両天才に古典的手法で挑んでみたものの、「なんじゃいこれは!」ということで、終いには投げ出したことによって完成してしまった作品だということになる。なにかよく解らない。

職人的確かさとていねいさが窺える四重奏であるにもかかわらず、退屈な曲であるといわざるをえなかった。もっとも、文学作品でいう古典は、読む者の習熟度にしたがって変容を遂げることもあるから、こちらが音楽的な経験を積むにしたがって感動を覚えることができるようになるのかもしれない。。

他の第1番、第16番もほぼ同様に確かで丁寧な四重奏である。が、曲は単調に思える。おそらくは、こちら側の鑑賞のための習熟度の方に問題があるのであろう。もともとバイオリンの音色が好きだし、耳から心へと響いてくる音楽に能動的ななにかを求めなければ、いずれの曲も耳触りがよい。聞いたことがあるような懐かしさを覚えた。

一昨日、突然としてこの四重奏を聴きに出かけることになった。せめて演奏題目が意味するところくらいは理解しておけばよかったと悔やんでいる。改めて、ベートーベンが「運命」「田園」「英雄」「エリーゼのために」のみの作曲家ではないことを知った。が、しかし、クラッシックは、やはり、よくわからない。