大阪府内で治療薬タミフルに耐性のある新型インフルエンザウイルスが検出された問題で、大阪府立公衆衛生研究所が発見から2週間公表せず、学術誌への論文投稿を先に行っていたことが5日、分かった。
府健康医療部の大下達哉副理事は同日、「府民に伝える必要性について判断が付かなかった。意図的に論文を優先させたわけではない」と釈明、認識の甘さについて「真摯(しんし)に受け止め、反省している」と謝罪した。世界保健機関(WHO)の国際保健規則では、公衆衛生上の重要な問題を速やかに報告するよう求めているが、府は同規則を「把握していなかった」という。
府によると、府立公衆衛生研究所の職員が6月18日にタミフル耐性を示す遺伝子を確認。22日に府に連絡し、24日に米医学誌に耐性遺伝子の解析結果を示す論文を投稿した。今月5日現在、論文の発表時期はまだ決まっていないという。(2009/07/05)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2009070500065
府健康医療部の大下達哉副理事は同日、「府民に伝える必要性について判断が付かなかった。意図的に論文を優先させたわけではない」と釈明、認識の甘さについて「真摯(しんし)に受け止め、反省している」と謝罪した。世界保健機関(WHO)の国際保健規則では、公衆衛生上の重要な問題を速やかに報告するよう求めているが、府は同規則を「把握していなかった」という。
府によると、府立公衆衛生研究所の職員が6月18日にタミフル耐性を示す遺伝子を確認。22日に府に連絡し、24日に米医学誌に耐性遺伝子の解析結果を示す論文を投稿した。今月5日現在、論文の発表時期はまだ決まっていないという。(2009/07/05)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2009070500065
この患者は、5月15日に発症した別の新型インフルエンザ患者の濃厚接触者。5月18日から10日間タミフルの予防投与を受けたが、24日から微熱が出て、29日新型インフルエンザと診断された。同日から別の治療薬リレンザを投与され、回復している。この患者から採取したウイルスの検査で、6月18日タミフル耐性を示す遺伝子変異が確認された。その後、周囲への感染拡大は確認されていない。
厚生労働省によると、欧州疾病管理センター(ECDC)は6月30日、デンマークでタミフル耐性の遺伝子変異を持つ新型インフルエンザウイルスが検出されたと発表している。この患者は海外渡航歴のある新型インフルエンザ患者の濃厚接触者で、タミフルの予防投与を受けていたが、投与の5日後に症状が出て感染が確認され、検査の結果、遺伝子変異が分かった。
タミフル耐性遺伝子変異は、季節性インフルエンザウイルスでもみられる現象。タミフルによる治療を受けている日本の子どもの16%からタミフル耐性を持つウイルスが検出され、ただし感染性は低い、というECDCの報告がある、と厚生労働省は言っている。(2009年7月3日)
http://scienceportal.jp/news/daily/0907/0907031.html