亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、次の上昇加速要件 

2020年08月14日 20時57分42秒 | 金市場
結局、期待された米追加景気支援策は流れることがほぼ決定した。先行して下院民主党が、その後上院共和党も協議を再開することなく夏休み休会に入った。共和党のマコネル上院院内総務は13日、レーバーデーの祭日明けとなる9月8日まで上院採決を行わないと発表。先行して下院は9月14日まで採決を行わないとしている。先週金曜日の7日に物別れに終わった後に、何らの協議再開もされないまま散会となったようだ。とすると、今週中に一定の合意は可能などとしていたムニューシン発言は何だったのか?希望的観測にしては、なんともお粗末な結果に。ホワイトハウスと共和党議会指導部との意思疎通自体がうまくいていないのだろう。

もっとも、追加支援策がまとまらなかったことに関する市場の反応の薄さは、大統領令により一定の策が担保されていることがあるが、それよりもワクチン早期承認への期待が市場の底流通奏という感じになっていることがありそうだ。さらに、仮に各種対応策が失効しても、3週間先に合意すれば大事に至らぬだろうとの議会側の見通しがある。それよりも議員は、11月の大統領選と一緒に行われる自らの議会選への対応の方が重要事項になっているということか。この辺りは共和党議会指導部も、下手をすると今は多数を占めている上院での負けも予想されており、選挙にフォーカスしていそうだ。この辺りは、米連邦準備理事会(FRB)が景気の底割れ回避のために早急な追加策の決定実行を求めていたのとは、ずいぶん温度差がある。そもそも、米国は新年度が10月から始まることから、先送りされた追加支援策の協議がレーバーデー明けに再開されるとして、2021会計年度の予算も9月中に決める必要があるので、9月は政治がらみでひと悶着ありそうだ。そうした要素を頭に入れておいたほうが良かろう。

財政赤字が急激に膨らむ中での、「決められない政治(政治の機能不全)」は大統領選とともにリスク要因となる。実際に2011年には、米国債格下げの主材料となった経緯がある。

その財政赤字の急拡大に関連し、13日も米債利回りは上昇となった。10年債利回りは約2カ月ぶりの水準となる0.727%まで上昇し、その後もその水準を維持した。注目されるのは、先週6日に0.504%まで落ちていたこと。利回り急騰は米債価格が急落していることを表す。この日は、米財務省が実施した30年債の入札が、応札倍率(応募)が2.14倍と昨年7月以来の低水準となり、最高落札利回りも1.4%台に上昇、やや不調に終わったことが、米債全般の売りにつながった(利回りは上昇)。ちなみに発行額は260憶ドルと30年債としては過去最高額だった。財務省は低金利環境を生かし長期債の発行を増やそうとしている。

30年債利回りも、先週6日の1.1655%から一時1.444%まで上昇し1.431%に。来週19日には20年債、250憶ドルの入札が行われるが前回5月時から50億ドル増額している。景気回復を見込んだ金利の上昇というよりも、発行額が増えることで需給の悪化を見込んだ上昇という側面がある。こうした上昇が目立ち始めると、FRBが登場ということになる。そうした環境が醸成される、あるいは予見されることが、NY金の次の上昇加速要件のひとつになると思われる。それまで調整局面は続く。売り込まれるところは、買いのタイミングとなりそうだ。
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