亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

緊張の日々は続く

2008年09月16日 22時19分13秒 | 金融市場の話題
AIGの資金繰り要請を蹴ったとされるFRB。金融界の自助努力に任せるとの話だが、米財務省も仲介でかなり動いている様子。問題点は、住宅金融2公社もそうだったが、そもそもFRBも財務省もAIGを監督する立場にはなかったという事実。住宅公社の際はそれまで住宅公社監督局だった(今は連邦住宅金融庁、FHFA)。保険の場合、監督権限は州政府にあるため経営内容をFRBも財務省も詳しくはつかんでいなかったとされる。ちなみにAIGの場合はニューヨーク州。したがってポールソン財務長官は監督権限を集約させる方向で話をまとめようとしていたが、その前に綻(ほころ)び始めたというところ。AIGはリーマンよりも倒産保険(クレジット・デリバティブ・スワップ/CDS)などへの関与の度合いも大きいと見られ、その悪影響の度合いが不明につき、戦々恐々といったところ。元より水面下のもの(オフ・バランス)が多く、その点からも、実態はよくワカランわけで、その見通せない状況自体が、増資などと言われてもチョッとねぇ・・・・という投資家の姿勢に反映されるわけだ。

本日から始まる大手の四半期決算。先陣を切ったゴールドマン・サックスは前年同期比70%の減益。それでも8億4500万ドル(約890億円)というもの。早晩、業界再編の中心的な役割を果たすことになるのだろう。

さてFOMCです。予想を上回るピッチでの原油の下げに、利下げ環境が見通しより早く巡ってきただけに、声明文含めてどのような判断を下すのか。利下げには素直に金価格は反応しそう。金融市場、緊張の日々が続く。

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4 コメント

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破綻の噂は昨年から (NEW MAN)
2008-09-17 20:09:49
昨年11月の金取引講習会で、福島隆彦先生が近い内に
リーマンブラザースとメリルリンチは必ず破綻すると云ってましたが、この時は余り感心がなかったですけど、現実になるとは思いませんでした。 このため厚生年金で積み上げた年金の内300兆円はなく、この時点で中国はすでにドルを売り始めているので、ドルは今後さらに暴落する予兆がある様です。
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AIG (goldencup)
2008-09-17 11:09:59
政府の 融資が 決定したようですね

AIU (AIG傘下) の保険に 加入しているので
心配してましたが これで 一安心かな?

以前 AIGの 広告で 登山者 二名が エベレスト山頂で 社名の入った旗を 持って 「格付け 3Aの 最高峰」 なんての ありましたが 今は 足滑らせて 崖に 引っかかって 救助を 待ってる・・

今の時代 何が どうなるか 一瞬先は 闇ですね 
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あら! (ささやか)
2008-09-17 10:52:15
書いてるうちにAIG融資決定したんですね!
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FOMC (ささやか)
2008-09-17 10:42:59
利下げなし、でしたね。原油100ドル割れたのに…
昨日証券会社の株式セミナーに行きました。オリンピック後中国の消費者物価は下落している、主要各国の中で消費者物価下落してるのは昨日中国の利下げが納得できましたし、FOMCの結果も納得。
主要金融機関の決算スケジュールが渡されましたけど、早速メリル・シティと日付を書き換えました。10月30日のドイツ銀行・UBSでスケジュールリストが終わってます。それまで市場は悲観と楽観の間を揺れ動く事でしょうし、時には「風説の流布」とかもあるかもしれませんね。
情報の出所信頼性にも心しないと…
AIGにもしもの事があれば、バブルにあまり関係なかった一般市民にもバブルの被害が降りかかることでしょうね。昔どこかの国でもそんな事ありましたもの。
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