亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米5月の雇用統計、利上げの加速に踏み切らせるには材料不足

2018年06月04日 18時31分51秒 | 金市場

先週末の5月の米雇用統計。失業率は3.8%、(非農業部門)就業者数が、前月比22万3000人増というヘッドラインを見て、まず労働参加率は、どうなったのかということを思った。失業率4.5%は、ほぼ完全雇用とFRBが言い始めて久しい。失業率が4%を下回っても、まだこんなに就業者が増えるんだという印象の結果といえる。就業者数の増加の市場予想は18万8000人。自分の知る範囲でJPモルガンの25万人増予想が、最初見た時に強気だなぁと思ったが、その強気予想が正しかったことになる。背景は、天候要因としていた。冬期の悪天候での下振れは、よく見られるが、好天でのここまでの上振れは珍しくないか。

いずれにしても、失業率は3.8%と2004年4月以来、約18年ぶりの低水準。この水準は米連邦準備理事会(FRB)が年末までに達成すると見通しを示していた水準でもある。前倒しに達成されたことになる。働くことが出来る人々(労働人口)に占める(求職者を含む)働き手の割合を示すのが労働参加率だが、62.7%と、4月の62.8%から低下していた。3ヵ月連続のマイナスとなる。失業率低下の背景に、職探しをあきらめた人がいることは確かだろう。
市場が注目していたのは、この失業率や就業者数の増加幅よりも、インフレ率加速の観点から平均時給の伸びだった。結果は、前月から0.3%増(+8セント)。4月は0.1%増だった。前年同月比では2.7%増と、やはり4月の2.6%増からは上昇。しかし、“底堅い” という程度の印象で失業率や就業者の“上振れ”比べて勢いを欠いているのは否めない。やはり、足元でインフレの加速は認められない。これは何人かの米地区連銀の総裁の指摘通りといえる。

しかし、今回の雇用統計は来週6月12-13日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)に向けての、いわば最後の“詰め”に当たるもの。0.25%の追加利上げは、確実視されているものの、市場はその先の判断を先読みしようとする。すでに年内あと2回でなく、3回を前のめりの織り込み、1300ドル割れに至っている金市場にとって、総じて今回の結果は“やはり”というものだろうか。

いやいや、FOMC参加者をして利上げの加速に踏み切らせるには、材料不足とうのが当方の見立て。仮に年内あと3回となったとしても、それは来年の利上げ分を前倒しし、上げられる時に上げ、将来の利下げ余地を作るという作業だろう。

@新大阪17時15分発、新宮行きのくろしお21号の車内。いま海南。

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