亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

世界同時株安に金市場では反応にねじれ現象が

2018年10月11日 23時16分41秒 | 金市場
NY株、暴落の中で現地時間の10日の午後1時半に引けたNYコメックスの通常取引は、前日比1.90ドル高の1193.40ドルだった。その後、株安は進み、主要3指数ともに安値引け状態に。特に金利に敏感なナスダックは下げ率も4%ともっとも大きくなった。おまけに200日移動平均線も割り込んだことで、調整も長引きそうな雲行きではある。「独り勝ち」の米国ゆえに投資マネーが流入し、景気を支え、成長期待から長期金利は上昇、企業による自社株買いも盛んで株価を支えてきたが、その金利上昇が株価水準の割高感を醸成するという皮肉。

米国の景気拡大が10年目に入っており、拡大期の終盤に差し掛かっているという意識が投資家の中にあり、弱気が頭をもたげると一気に警戒感を広げることになる。その長期金利だが、株価の急落というリスクオフ・センチメントの広がりの中で、一転して国債に買いが入り金利は急低下し、10日は3.167%で終了となった。

そんな急なリスクオフ環境の中で、金に目立った動きのないことを不思議に思う投資家が多い中で、今朝1番である通信社の記者氏から電話が。こんな株価急落の中で、何ゆえ金は上げないのかと。確かにそのとおり。金の反応はいかにも鈍い、鈍すぎる。答えたのは、反応の鈍さは、この状況の中でドル指数(DXY)が95ポイント超と高止まりしていることとした。ドル指数に明確な低下が見られない中で、ファンドの運用プログラムによる買いが見送られていることが、そのまま金の鈍さとして表れていると。

ところが、同じ金市場でも現物由来のETFは状況が異なった。この半年にわたり残高の減少傾向が続いて来た金ETFだが、10日の市場で最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高が、前日比で8.82トンと大幅に増加した。ベンチマークの指標の下での、プログラム売買が確立している先物市場におけるファンドの売買動向と異なり、現物由来の金ETFへの売買注文は、ロボット・トレードとは違い、教科書的な金への資金移動が起きたものと思われた。金市場でも先物市場と現物由来の市場では、投資家行動にねじれが起きているわけで、興味深い。問題は、本日のNY市場で株安の流れが止まるのか否か。また、その動きに対する金市場の反応がどうなるか。


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