亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

Nancyに手玉に取られるDonald 

2020年10月21日 21時32分20秒 | 金融市場の話題
昨夜は和歌山から東京に移動した関係で更新をパスということに。さて、終わったはずの選挙前追加経済対策協議の合意の話だが、トランプ政権とマーケットはまだご執心のようで、話は続いているようだ。

前日に大幅株安をもたらした追加経済対策協議に対する悲観的見方だが、協議自体は継続されていた。そして20日は、一方の当事者(でここまで伝えられる協議の経過から優勢に立っていると思われる)民主党ペロシ下院議長がブルームバーグの番組で「交渉は前進している」とし、超党派合意は得られると楽観視していると発言。市場はこの発言に飛び付くことになった。この発言は、ホワイトハウス側の急速な歩み寄りに対応してのものと思われる。というのも、トランプ大統領がこの日、追加対策の予算規模について民主党が求めている2.2兆ドルを上回る法案の受け入れ方針を示したことによる。投票日まで残すところ2週間となり、トランプ大統領はそれまでに何らかの合意をし、自らの成果として有権者に誇示したいようだ。

記憶に新しいが、トランプ大統領は10月6日に協議の打ち切りを表明し、自らが当選すれば即刻成立させる(だから自分に投票しろ)というツィート、それで株式市場が全面安状態に。これは大誤算で、しまった!!ということだったのだろう。その日の株式市場の引け後に、今度は手のひらを反すように個人給付金など個別法案を複数切り離し協議するよう提案。総合対策を掲げるペロシ議長は即拒否。すると、今度は1.6兆ドルとして来た予算規模を1.8兆ドルに引き上げると発表。それでも協議は、難航。

もう時間はないわよ!とペロシ議長が切った20日の期限が迫る中で、この日は前述のように民主党案を上回る規模でOKとし大幅に歩み寄ることに。結局、米民主党版「鉄の女」で政治的駆け引きに長けたナンシー・ペロシ女史に足元を見透かされた形で大統領は泥沼の妥協に追い込まれることになった。相手方に次々と折れる姿勢は、そのまま政策方針に一貫性がないことを世に示すことになった。浮き彫りにされたのは、支援策そのものよりも自らの再選を第一義とする大統領のスタンスそのものだった。もとより、明らかではあったけれど。

繰り返してきたように、仮に政権(ホワイトハウス)と民主党間で合意がなったとしても、上院で
採択されないと追加財政法案成立はしない。その上院で過半数を占める共和党が決めている予算規模は、5000憶ドル。もとより緊縮財政を掲げる共和党右派の議員を中心に、ホワイトハウスが提示する政策案に反対の立場をとっている。合意が成れば、自らが彼らを説得するつもりだろうが、それに乗ってしまえば自らの議席は危うくなる議員は多い。日本時間の本日早朝、メドウズ米大統領首席補佐官は、「進展はあった」としたものの具体性は乏しく、「明日も協議を続ける」としたと伝えられた。

それでも本日のNY時間外で米株の先物が目立って下げなかったのは、市場全体に、来年以降のブルーウェーブ(ホワイトハウスと上下両院民主党支配)の下での、財政拡大を織り込む気配が漂い始めているように感じられる。
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