亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

利上げの打ち止めを想定するFRBだが意見は割れている

2018年07月06日 20時47分16秒 | 金市場
発表された6月のFOMC議事要旨は、表面的には、想定の範囲を超えるサプライズはなかった。しかし、景気後退の先行指標とされる長短金利(10年と2年国債の利回り差)の縮小・逆転など、が議論されるとともに、FRBスタッフによる(長短金利逆転以外の)景気の先行指標を探るプレゼンテーショーンがあったとされる。長短金利の逆転(逆イールド曲線の現出)があれば、1年程度で景気後退(リッセッション)に陥るというのが、少なくとも1975年以降の傾向とされる。しかし、長期金利の低下が、FRB自体の量的緩和策導入による国債買いが増幅させた面は否めず、信頼度が落ちているのではとの議論もあるようだ。結論は出なかったようだが、金利の動きは注視ということのよう。

いずれにししても、FRBは景気後退の可能性を含め広範囲に議論している模様。その中で政策金利の引き上げの打ち止め見通しも活発に話し合われたようだ。もちろん目先は、強い米国指標を受けて、緩やかな利上げは継続ということだが、問題はその先。

議事録では、大半の参加者は「政策金利が来年中に中立的な水準に達する」との見方をしているとなっていた。政策上の中立金利とは、景気を過熱も冷やしもしない長期的に適切な金利水準とされ、FOMC参加者は6月時点で2.9%と見ている。現在の2.0%の水準から見て、2019年中に引き締め策を終了するとの議論が高まっていることを意味する。さらにトランプ政権による通商政策の影響も議論された。大半の参加者が「貿易政策の不確実性とリスクが、企業の心理や投資支出に悪影響をもたらす」として警戒感を表明。

5日の現地午後2時の議事録公開後の市場に目立った反応は見られなかった。しかし、時間をかけて話し合われたポイントになる議論は、いずれも、この秋から来年夏にかけてのもので、時間の経過とともにそうした懸念や問題がいったん意識されると、市場の反応も加速すると思われる。

当方が金に強気しているのは、目先の「利上げの加速」に目を奪われがちだが、以前と違って、それほどFRBは金利を上げられないのではとの見立てによる。もっとも、この先、米国景気が加速するとなるとこの見方は誤りということになるのだが。議事録からは、FRBもその両方のケースを念頭に置いているようだが、それだけ参加者の意見も割れているということだろう。

なお、5日の市場で米長短金利差は、0279%と、ついに2007年8月以来約11年ぶりの接近となっている。
この後は6月の雇用統計。平均時給の上昇が、どの程度になるか。なお、米中貿易戦争は広く報じられているような展開。北朝鮮に行ったポンペオ国務長官、どれだけ身のある話をしてくるのだろうか・・・。
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