亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

良好な指標 ⇒ティラーソン ⇒マケイン

2017年12月01日 23時55分48秒 | 金市場
前日の急伸を受け30日も米長期金利は上昇し、10月26日以来の2.4%超で取引を終了した。そして金市場は下値を試す展開に。11月は狭い範囲内での取引に始終し、月間ベースでは12年ぶりの値動きのなさとロイターは書いていた。そうだったのか・・・。値動きのなさ(ボラの低さ)は自覚していたが、自分では12年ぶりとは確認していない。

11月は1265~1285ドルのレンジから、後半にかけてレンジを切り上げ上が1290ドルになり、そして1300ドルとなっていた。さすがに1300ドル近辺では売りものが控え、それだけにここを抜けるとプログラムされた買いをヒットすることで上昇に弾みがつく可能性があった。そこまでには至らず反落となり、1年前から続いている長期金利の上下に対する逆相関性を発揮した相場展開に戻ることになった。

長期金利に影響を与える材料があり、それに沿って金も動いている。30日は、「10月の個人所得・消費支出に失業保険の新規申請件数」(金利上昇) ⇒「ティラーソン国務長官更迭観測」(金利下落) ⇒「税制改革案にジョン・マケイン上院議員支持表明」(金利上昇)という流れに沿って、金は上下し最終的に売られた。29日は、「パウエルFRB理事の公聴会」 ⇒「北朝鮮ミサイル発射」 ⇒「税制改革案、上院予算委員会通過」という流れとなっていた。

結局、影響力の大きいのはNY株を大きく押し上げたことでもわかるが、税制改革案の採決に対する期待となっている。結局、30日は財政赤字の拡大予測に共和党内の保守派議員からさすがに懸念の声があがり、さらなる摺合せが必要となり採決は見合わせることになった。支持に回ったと伝えられる有力議員にしても条件を付けており、やはりそう簡単にはいかないものと思われる。それでも以前の共和党とは比較にならないくらい軟化しているイメージではあるが・・・・。

長期金利が直近で2.4%を超えた10月26日は、NYコメックスの金の終値は1260ドル台だった。つまりその水準まで30日は来たことになる。下抜けとなるには、さらに上昇する材料が出るか否かにかかっている。


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