亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

予想以上にハトだった議長証言、水準を切り上げるNY金

2019年07月11日 21時05分26秒 | 金市場
7月10日のNY金は、NY時間の通常取引入り後から水準を切り上げることになった。きっかけは、この日の午前10時から予定されていたパウエルFRB議長の米下院金融サービス委員会での証言、冒頭の経済分析と政策の見込みに関する草案が公表されたことだった。

今月末のFOMCでの利下げを示唆する内容として市場は受け止め、買い優勢の流れに転じたことによる。そして実際に議長の証言とその後の議員との質疑応答は、その利下げ見込みを確信に変えNY金は水準を切り上げながら進行することになった。通常取引の終値(清算値の確定)は前日比12.00ドル高の1412.50ドル。その約30分後には、6月のFOMCの議事要旨が公開され、参加者の多くが「近々利下げが正当化される」としたということで、時間外取引でも買い先行の流れが続き1421.10ドルまで買われ1421.00ドルで終了となった。つまり、ほぼ高値引けということに。

11日アジア時間の取引は寄りが1421.10ドル、そのまま上値を追って早い段階で1429.40ドルまで買い上げたが、さすがにそこまで。後は売り買い交錯状態となり、そのまま1420ドル台前半の膠着状態で推移中となっている。現時点でNYの早朝午前7時半。

一言でいって議長の発言は予想以上にハト派的な内容だったということだろう。市場では、先週末の強気の米雇用統計の結果を受け、過度な利下げ観測が後退していただけにサプライズ的な要素が加味されることになった。ホワイトハウスからのノイズレベルが上がっていたことも、ハト派スタンスに傾きすぎることは圧力に屈したイメージを醸し出し、避けたいのではとの憶測もあった。そして実際に6月のFOMC後の記者会見で「短期的なセンチメントの振れに過剰に反応しないことも重要だ」として、利下げを前のめりに織り込む市場を牽制するスタンスも示していた。それが、変わった。

複数の連銀が6月中旬に発表した製造業の景況指数は軒並み悪化していた。議長は今回、米中通商協議は再開されたものの「不透明性の払しょくには至っていない」とした。不透明性の継続が、製造業などの低調な設備投資に投影される(特に)5月以降の流れが続くという見立てだろう。さらにインフレが目標を下回るリスクは一段と長期化する可能性にも懸念を表明した。議員から強い内容となった雇用統計について問われ、「良いニュース」ではあるものの「労働市場の過熱を示す証拠はない」とし、成長や金利見通しを変更する意向はないとした。もともと単月の指標の変化には大きく反応しないのがFRBのスタンス。

月末のFOMCに向け、主要指標の結果が重要になってきた。今夜はCPI(消費者物価指数)。
NY金は引け値ベースでの高値更新となりそうだ。ただし、本日のところは結果次第。
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