亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

政治リスクから売られるイタリア債、それをユーロも無視できず

2018年05月17日 20時58分35秒 | 金融市場の話題

今朝見て驚いたニュースに、連立政権の樹立をめぐり不安定な状況が続いているイタリアからのものがあった。ポピュリスト(大衆迎合)政党の「五つ星運動」と極右政党「同盟」との連立合意に向けた話し合いが進む中で、協議内容に(これまでの量的緩和策推進に際し)ECB(欧州中銀)が購入したイタリア国債2500億ユーロ(対GD比約10%、約33兆円)の減免を求める可能性があるというのが、それ。

金融政策の手段として中央銀行が保有する多額の国家債務を、一気に償却するウルトラ級の政策ではあるが、かなり現実離れしたもの。“リーク”という形で流れたものとされるが、確かに話題性はある。もっとも売られたのが(イタリア)国債で、10年債利回り(長期金利)は1.95%から2.03%へ急騰。このところ選挙後の連立政権発足に対する不透明感の中で、じりじり売られ金利は上昇基調にあった。すでにスペイン債(1.40%)との差は、70bp(0.7%)も開いている。

このニュースに、さすがにユーロの反応は限定的だったが、それでも16日のNY時間の早朝にかけてユーロドルは1.1763ドルまで下落。昨年12月18日以来の安値に。ドル指数(DXY)はこのユーロ安を映すかたちで上昇し93.63ポイントと連日の年初来高値更新となった。この時に、NY金は1285.70ドルまで売られた。

なお、このニュースについては、極右政党「同盟」の経済担当報道官が、公式な政策案には盛り込まれていないとした。まぁ、そうでしょうよ。この発言を受けイタリア債は買戻され2%割れまで利回りは低下。しかし、最後はさらに2.134%まで上昇し2.112%で終了となった。発足する新政権が、人気取りのばら撒き策に走るのではとの懸念が、イタリア債売りにつながっている。日本の地銀の中に、ユーロ建ての主要国の中で比較的高めの利回りが確保できると、外債投資の対象にイタリア国債を持っているところも多いとみられる。

ちなみに、本日もイタリア債は売られており日本時間の21時前の時点で2.166%となっている。イタリア株も安い。

ユーロドルは、昨年11、12月のサポートラインが1.1700~40とされ、これを割れると苦しくなりそう。
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