亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

記録的なショート(今週のメインイベント)

2013年02月25日 23時58分39秒 | 金市場
このところの金市場の下げの主役は買い建ての手仕舞い売りから新規売り(フレッシュ・ショート)に転じたファンドの動きだと書いて来たが、週末のCFTC(米商品取引委員会)のデータでは、ネット・ロング(ファンドの買い越し量)は322トン(オプショ抜き)に急減。2008年12月に並ぶ低水準に。ショートが増えた結果だが、そのショートは(グロスで)9万枚を超え(1枚=100オンス)重量換算で286トンとなった。先日も書いたが過去5年の平均値は100ほどなので3倍近い規模となる。こうした指標は売られ過ぎを示している。先週後半の下げでアジアの現物引き合いは急増。域内はロンドン価格に対しプレミアムは拡大。金を欲しい人は居るわけで、それでも先物市場のレバレッジの利いた売りに価格は弱含みに。ちょうど2年前の年始、中国では金ブームで(今でもそうか・・・)地金の現物が払底し代金を払っても現物を受け取るまで2~3週間を要した。そんな状況下でも金価格は100ドル以上下げるという状況だった。NYコメックスでのファンドの手仕舞い売りに押し切られた下げだった。

その時でも足元のような売りをファンドは持っていなかった。グロスのショートは少なくとも14年間で最高ではないかと思う。先日書いたが、何かの弾みで買戻しの動きを起こすような材料があれば、急反発もあるような市場環境といえる。

その外部要因で今週最初の注目はイタリアの選挙だが、大衆迎合的な政策を打ち出すベルルスコーニ陣営の追い上げが見られていると。さて、どうなるか。

米国では、「財政の崖」・・・・とだれも言わなくなったが、「財政の崖」の詰めが迫る中、泥縄式の話し合いが行われようとしている。景気にとって、株式市場にとって大きな脅威という割には楽観論が支配している。そもそもホワイトハウスにも積極性がない。21日に電話するまでオバマ大統領と共和党議会指導部はここまで数週間は電話での会話すらしていなかったらしい。議会も、本日まで休会だった。

ホワイトハウスのノリは、共和党はぐちゃぐちゃ言うな!こっちに任せろ!というスタンス。共和党はぐちゃぐちゃ言うわけで・・・・。今週のメインイベント。

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