亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今月のFOMC、“意見の割れ”の程度が問題

2019年09月04日 21時07分24秒 | 金市場
昨夜のNYはISM製造業景況指数の50割れが、方向を決めた。前月の51.2から49.1へ低下。拡大縮小の分岐点50割れは3年ぶり。5カ月連続の低下なので、やはり米中摩擦の長期化がさすがに影響しているのは間違いなかろう。49.1の水準は2016年1月以来のもの。内訳が悪かった。

市場が気にしたのは、先行指標とされる新規受注指数も前月の50.8から47.2の50割れに落ちたこと。その中でも輸出新規受注指数の落ち込み。前月から4.8も落ちて43.3まで下がった。この水準はリーマンの翌09年春のNYダウが6000ポイント台まで売られていた当時と同じ低水準。米国景気は個人消費に支えられて、製造業部門の落ち込みを交わしているが、この辺りで止まらないとズルズルという感じの数字。雇用指数も47.4と51.7から低下し、16年3月以来の低水準となった。

この結果を受けて今月のFOMCでは、50ベーシス(0.5%)の利下げもありか、という見立ても増えたようだ。実際にブラード・セントルイス連銀総裁は50bp下げるべきとしたが、この人はバリバリのハト派。3日はローゼングレン・ボストン連銀総裁も、しゃべっていてこっちは、「データが順調なら直ちに行動する必要はない」としていた。この人はタカ。

今月のFOMCはドット・チャートが公開されるので、こうした意見の割れがどの程度か隠れた見もの。7月の利下げについても2人が反対票を投じたので、それが3人あるいは4人となると、パウエル議長の進退につながる可能性は否定できない。今夜は、NYにてウィリアムズNY連銀総裁が講演。この人は悪化を待たずに兆候が感じられるならば予防的に利下げすべしという利下げ積極派につき、その線に沿った発言か。株式市場にも金市場にも耳触りのいい内容になると思われる。いずれにしても、来週以降は発言自粛期間(ブラックアウト)に入るので、連銀関係者の発言は多い。


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« BREXITをめぐる動き、現時点... | トップ | 歩み寄る?CHINA »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事