亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

目先の出入りを繰り返しているだけの金市場のファンド

2019年04月08日 22時39分50秒 | 金市場
内容によっては為替に動きが出て金市場のボラも上がるかなと淡い期待の3月の米雇用統計は、想定内の結果に落ち着いた。詳しい内容は報じられているので、そちらを見てもらうとして、やはり賃金上昇の鈍さがインフレ率に反映され、景気拡大期にもかかわらずtameな(落ち着いた状態)環境を作り出し、利上げをするまでもないということで、緩和環境が続くという株式市場には居心地のいい環境いわゆるゴルディ・ロックスを作り出している。

雇用統計の中でインフレ率との関連で注目される平均時給の伸びは、前月比0.1%、前年同月比3.2%と2月の同0.4%、同3.4%から鈍化した。市場予想は前月比0.3%の伸びとなっていたが、期待外れの結果となった。インフレ率の押し上げにつながる賃金圧力の高まりのなさは、そのまま利上げ観測の後退を示すものとなる。雇用が増えているのは、賃金の比較的低いサービス業中心という実態がある。実際今回のデータでは、製造業の雇用は減っていた。

さて本題。週末に発表された米政府組織CFTC(商品先物取引委員会)のデータでは、NY金先物取引でのファンドのポジション(持ち高)は、4月2日までの1週間でロング(買い建て)が解消されショート(売り建て)を積み増していたことが判明。1日で20ドル超下げ1300ドル割れに至った3月28日の急落が、やはりファンドのポジション移動によるものであったことと、その内容が明らかになった。トルコリラ、アルゼンチンペソの急落という昨年8月の新興国危機を連想させる動きに、ドル高を予見したファンドのプログラム売りが下げのきっかけとなり、節目の1300ドルを割れたことで、さらに追随売り(トレンド・フォロー)を巻き込み下げ幅を拡大したと見られる。

その後は、米連邦準備理事会FRB)のハト派化に従うように欧州中銀(ECB)やオーストラリア中銀などの緩和方向の発言に加え、中国の経済指標に改善が見られたことから、世界的にリスクオン・センチメントの広がりのなかで株高となり、金は1300ドル台を回復できない状況となっている。米中通商協議の合意が近いとの米政府関係者の発言もこの流れを後押ししている。

結局、ファンドも中長期の方針でどっしり構えているところと、目先の動きでチョロチョロ出たり入ったりしているところが混在していて、足元では目先の動きで上下動しているだけの話。



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