亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

牽制球を投げ合う米朝

2018年05月25日 22時52分51秒 | トピック
米国が米通商拡大法232条に基づき輸入車に対し25%の関税をかけることを検討と伝えられたこと。またトランプ大統領が6月12日に予定されている米朝首脳会談を中止にする意向を北朝鮮に通告したことが判明。前日には、「来週には、どうなるかわかる」と言っていたが、風向きが変わった様子。この2つを受けて、市場センチメントはリスク・オフに急速に傾くことになった。FOMCの議事録を受けて、反発に転じていた金市場は、さらに水準を切り上げ、8営業日ぶりに1300ドル台で引け。

前日まで年初来高値の更新を続けていたドル指数(DXY)も、さすがに反落となった。ただし、94ポイント割れとはなったものの、93.79と高止まり状態といえる。前日には3%割れとなった米長期金利は、この日も低下し2.977%で終了。このところ米国のインフレ加速期待や利上げ加速観測に乗るかたちで債券市場ではファンドの動きが活発化し金利急騰につながったが、それも一巡したとみられる。本日、日本時間の22時半には2.933%とさらに低下。原油(WTI)も急落中。

北朝鮮への書簡による首脳会談の中止の通告は、先週から始まった朝鮮半島での米韓合同軍事演習をきっかけに北朝鮮サイドが態度を硬化、今週は北朝鮮外務次官がペンス副大統領を名指しして攻撃的かつ挑発的な発言したことへの対抗策ということか。それよりも、交渉の主導権を自分(トランプ)が握っていることを示す意図がありそうだ。直近の雪解けムードは一気に後退することになったが、これも外交交渉の駆け引きといえ、事態はなお流動的といえる。

首脳会談は、秋の中間選挙に向けてトランプ大統領にとって外交成果を得られるまたとない機会だけに、延期こそあれ会談の機会は残るというのは、誰もが思うだろう。。北朝鮮にしても、“われらが将軍さまは、習近平のみならず米国の大統領とも対等に渡り合える、すごい人物”なんだと、国内向けにアピールできるまたとない機会。したがって、引いたり押したりしながら、延期の上で会談は成立ということか。



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