亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

7-9月期公的部門(中央銀行)は金を売り越し

2020年10月29日 21時00分53秒 | 金市場
報じられたように欧米株大幅下落の中で、市場横断的にポジションを落とす動きが広がることになった。

ドイツの株価指数DAXは28日、前日比503ポイント(4.2%)の大幅安で1万1560で終了。営業日続落で合計の下げ率は9%弱に達し、約5カ月ぶりの安値水準に撃沈。英国やフランスなども3%前後の大幅安に。もっとも、新型コロナで再び春先に近いロックダウン不可避という話が事前観測として流れおり、ファンドのポジション整理が進んだと思われる。こうなると、金市場ではちょうど本日、欧州中銀(ECB)が定例理事会を開いており、このあとラガルド総裁の記者会見が始まるが、金融政策は現行のまま据え置くと見られるものの、景気の2番底懸念から、次回12月の会合での追加緩和策の導入を示唆する可能性が浮上し、ユーロが対ドルで売られ、ロボットトレードで金にも売りが出ることになった。

ただし、先物のみならずETFも売られたのが28日の注目点ということに。キャッシュアウトというほどの大げさなものではないが、広く混乱が予想されている大統領選を控え、そこに新型コロナによる再ロックダウンが降りかかったことで、材料同士の共鳴現象のようなセンチメントで、ここは「撤退」と判断した投資家が手放したということだろう。本日、この時間(20時20分)までNY金の戻りは鈍い。

本日は米7-9月のGDP速報値もある。こちらは、市場予想は前期比年率でプラス32%と過去最大の回復が見込まれている。アトランタ連銀のモデルが予想するGDPNowはプラス37%の予想となっている。ただし、それは織り込み済みで、一般的には上振れ下振れがない限り、市場の反応は薄いと思われるがどうなるか。

本日は日本時間の14時に、ワールド・ゴールド・カウンシルが2020年7-9月期の金需給統計を発表した。先週、調査会社リフィニティブの担当者が、7-9月期は10年ぶりに中央銀行が若干売り越しとしていたが、その通り12.1トンの売り越しになった。新型コロナ下で財政が苦しくなった一部の新興国の売りが、ロシア、中国の買いが止まっている中で、売り優勢の結果につながった。目立ったのはウズベキスタンの35トン。

言うまでもなく、7月末から8月初めにかけて過去最高値を記録した四半期ゆえに、当然ながら宝飾需要など実需は落ちるのは想定内のこと。金需要全体も892トンと前年同期比で19%減で2009年第3四半期以来の低水準となった。宝飾需要単体では333トンと前年同期比で29%減で2000年に遡り、過去3番目に低い水準となる。インドは同じく前年比で48%減の52.8トン、中国は25%減の119.1トンとなった。

春から夏にかけて止まっていた精錬所が稼働をはじめ、そこに価格が上昇したことからリサイクル(スクラップ)が増加し、前期比つまり4-6月期の286.1トンから376.1トンに。春先からタイなどアジアで金製品の換金売りが伝えられていたが、それが数字になったものと思われる。ただし前年同期比では6%増となる。リサイクルについては、多いときは四半期ベースで460トンくらいまで膨らむので、価格水準が上がった割に出てないなという印象。

金ETFの残高増加は272.5トンとなったが、前期に431.2トン増となったので、ペースは落ちたということになる。2000ドルを越えた四半期にしては、300トン近い増加は旺盛というべきと思う。



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