亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金は大幅反落となるも金ETFを通じた押し目買いの動きあり

2019年07月02日 23時53分44秒 | 金市場
米中両国間の通商戦争は「休戦」が決まり、歓迎ムードの株高が週明けに世界的に広がることになった。為替市場でもドルが全面高となりドル指数(DXY)は一時96.867と2週間ぶりの高値に上昇。警戒モードから一転した、リスクオン・センチメントの広がりの中でヘッジ目的の買い手の撤退を読んだ売りものが金市場では広がることになった。

週明け最初に開くアジア時間の寄り付きは、前週末比11.90ドル安の1401.80ドルと、いわゆるチャート上の“窓開け”状態でスタート。その後はアジアの午前に1399.00ドルまで。NYの時間帯の午前11時過ぎに1398.00まで買われたのが精一杯の戻りだった。それで結局1390ドル近辺まで戻されて終了。1389.30ドルが終値。1400ドル以下の下値サポートライン11370~80ドルは維持している状況。7月1日の米国株式市場は、ダウ30種、S&P500種、ナスダック総合指数と主要3指数ともに寄り付きで大きく買われた後に水準を切り下げる形で進行、終盤にやや持ち直したものの4本足のチャートでは“陰線(始値>終値)”ということになった。

上値では売りが控えていることを表す(それでもS&P500 種は終値で過去最高値更新したが・・・)。 市場では、米中休戦で目先の緊張は和らいだものの、協議は再開されてもコアとなる主張について双方の溝は深いとみられ、協議の長期化は避けられないとの見方は多い。結局、企業活動を阻害し続けることになりそうだ。

昨日取り上げた6月のISM製造業景況指数。結果は51.7で市場予想の51.0を上回ったことで株式市場などでは米中休戦ノイズにかき消された形だが、内容は総じて良くなかった。
50を境に上回れば拡大、下回れば縮小・後退を表す。6月は前月の52.1から低下し2016年10月以来約2年半ぶりの低水準となった。内訳では新規受注が前月より2.7ポイント低下し50.00と2015年12月以来の低水準に。価格指数は47.9と50割れに低下となった。景気見通しの先行き不安は根強いとみられる。本日2日のNY市場では、10年債利回り、つまり長期金利は2.0%を割れて推移中。

なお、大きく値を下げた金市場だが、この日金ETFの最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高は6.16トンと大幅に増加した。1400ドル割れで現物買いが入ったことを意味する。

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