亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドル指数の上値に沿って下値を探る金(低失業率とインフレの間に断層が)

2018年06月21日 23時16分33秒 | 金市場

NY金が1270ドル割れで推移している。売られ過ぎ状態に入っていると思う。もっとも、下がって来ると弱気が増えるので、こうした意見は少数派ということか。確かに足元で下値が見えない。ドルインデックス(ドル指数、DXY)の上昇が止まないことが、金の下げをもたらしている。

20日もDXYは、上値追いとなり、取引時間中の高値、終値ともに95ポイントを越え、昨年7月以来11ヵ月ぶりの水準で終了した。20日の欧州時間には、背景は不明なれど、「ユーロは対ドルで下落する」とのノボトニー・オーストリア中銀総裁の発言が伝わり、ユーロは急落。しかし、まもなく復活。それでもユーロ安基調に変化は見られなかった。ここにきて関心が急速に高まっている米中間の貿易摩擦問題だが、関税賦課のスタート日となっている7月6日に向けて、水面下での話し合いが行われていると思われ、20日の市場ではこの材料は一服状態。
それでも底流にはリスクオフ・センチメントの流れは存在し、為替市場ではドル、円そしてスイスフラン買いの動きが続いている。

昨年に続きポルトガルの保養地シントラで欧州中銀(ECB)の年次フォーラムが開催中で、20日は日米欧など主要中銀の総裁によるパネルが開催された。注目されるのは、パウエルFRB議長の発言。基本的には先週のFOMC(連邦公開市場委員会)での内容と同じで、「経済は好調で見通しへのリスクが均衡する中、緩やかな利上げを継続する根拠は依然強い」とした。

さらに、失業率は今後さらに低下する可能性が高いとしながらも、賃金の伸びは現時点で穏やかであることから「労働市場は過度に引き締まっていない」とした。一部の地区連銀総裁は以前からこの点を取りあげ労働市場における「スラック(たるみ)」の存在を指摘していた。

自分として、ややサプライズだったのは、失業率とインフレの関係について意見を述べたこと。これほど失業率が改善してもインフレが伸びずにいる例は過去には見られないとし、経済の状況に見合った失業率の適正水準(自然失業率)について不透明性が増しているとした。

これまで、失業率の低下は賃金上昇を誘発し、インフレ率の上昇につながるとするのが一般的な理論だった(フィリップス曲線)。議長はこの理論が崩れたとすれば、「低失業率はインフレに大きな意味合いを及ぼさないかもしれない」とした。(私の知る範囲では)実は、この考え方はFRB内部でハト派とされているブレイナード理事が2年前ほどから指摘してきたもの。FRBが完全雇用状態としている4%台半ばの失業率を下回る状況の中でも、利上げを加速させるべきではないと主張していた。パウエル議長もこの考え方に歩み寄っているといことか。

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