亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドル高の勢いにも陰り、NY金のポジションの移動に注目

2018年07月09日 23時36分36秒 | 金市場
先週末7月6日の注目イベントは、言わずと知れた2点。まず米中間の貿易摩擦問題。次に6月の米雇用統計がそれ。

まず、米国による対中輸入品(課税ベースで)340億ドルへの高率関税(25%)の適用が開始された。直ぐに中国側は報復措置を取ると発表。欧米メディアには“Trade War(貿易戦争)”の見出しが躍ることに。そして日本時間の夕刻には、中国が同じく対米輸入品340億ドル分に対し追加関税25%の発動を対象品目のリストとともに発表。こうした中で6日のアジア時間から株式市場は中国株を含め反発、米中貿摩擦激化観測の中で大きく値下がりしていた米国産大豆相場も下げ止まり急反発に。全般的に「材料出尽くし」の印象で、「7月6日」に向けて取られていた弱気のポジションが、撒き直されたような(売りポジション⇒買戻し)市場の反応となった。

その中でさすがに当事国として警戒感が先行した米国だったが、それを和らげたのが、朝方に発表された6月の雇用統計だった。前月比での雇用者増加数は21万3000人。市場予想の19万人を上回り、上方修正された5月の24万4000人とともに2ヵ月連続で(順調な景気拡大を表すとされる)20万人を上回ることになった。失業率は4.0%と前月の3.8%から上昇したものの、条件の良い転職を目指した自発的な失業の増加や労働参加率の上昇(職探しをする人の増加)が背景と理解され、マイナス要因とはならなかった。

インフレ率の観点からFRB(連邦準備理事会)も注視している平均時給の上昇率は、前月比で市場予想(+0.3%)を下回る+0.2%となった。前年比では+2.7%と前月と同じ。つまり、賃金発のインフレへ圧力は確認できない状況が続いている。景気は強いが利上げを急ぐ必要はないという、株式市場にとっては都合のいい内容。朝方こそ米中摩擦と好調な雇用統計の綱引き相場となった米国株だったが、午後に入り上げ幅を拡大し、中でもナスダック総合指数の上昇が目立った。

米中貿易戦争については、先にトランプ大統領が「中国が報復行動に出た場合、さらに2000億ドルを対象に追加措置を公表する」としていたことから、“次の行動”を静観といった状況にある。米中双方がヒートアップするとなると、さすがに市場も平穏では済まなくなることから、トランプ大統領がどう出るか。500億ドルの内の残る160億ドル分への課税について、7月24日に公聴会を開き来月にも発動との予定とされ、まずはその手続きを進めてからということか。

足元でここまでのドル高の勢いにも陰りが出始めているように見受けられる。金は1ヵ月にわたる下落トレンドに一定の歯止めが掛った形だが、ドル指数(DXY)は94ポイント近辺で高止まり状態にあることから、週足はプラスになったものの先週末は戻りも鈍かった。DXYが下値を探り始めると、反発にも力強さが出そうだ。先週は独立記念日の休みを挟んだ関係で、CFTCのデータは本日の発表となる。2週連続でショートが膨らんだが、どうなっているか。ネット・ショート状態のプラチナのデータと合わせて注目している。


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