ミセスローゼンの富士日記

チェリストのナサニエル・ローゼンと日本に住んで八年。音楽仲間と富士山麓に暮し、俳都松山へ通う日々。

トーラ読む声朗々と春来る

2019-03-14 06:43:05 | 日記


成田のホテルで、ラビ(ユダヤ教の司祭)と偶然お会いし、ニックが翌朝の礼拝をご一緒させて頂く事になった。ラビに、「バーミツバは済ませましたか?」と聞かれ、「まだです。」とニックが答えた。十三歳の時ニックは、ゴレゴール・ピアティゴルスキー師に出会い、チェリストになる決心をした。コンサートチェリストになると言う事は、金曜の夜の演奏会に出演する、すなわちユダヤ教の戒律を破らねばならぬと言う事で、それやこれやもあり、ユダヤ人男子が十三歳になった時受けるはずの成人式バーミツバを受けてなかった。バーミツバでトーラ(聖書)を朗読して初めて成人と認められる。先に亡くなったユダヤ人の長寿者は、ヒトラーの迫害に遭い、ユダヤ人ゲットーで青春を生き延び、113歳で初めてのバーミツバを受けられたそうだ。ニックとて、完全に演奏活動を引退したら、その後バーミツバを受ける事も可能である。
今朝六時、薄暗い二階ロビーの隅にて、ニックは写真のやうな礼拝を授けられた。黒いヤムカを被り、神の宿る小さな黒い箱を額に付け、それに繋がる黒い革紐を心臓に近い左腕に巻き付け、ラビ・シャピロと共にトーラを読む。最後にラビの友人で難病ALSと闘うラビの為に祈った。その側で私も私達の友人の為に祈った。
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