緩和医療講習会でヨーロッパと日本の医療の大きな違いにヨーロッパには寝たきり老人がいないそうです。海外では、がん以外の患者にもモルヒネを使い、痛みや苦しさを緩和することを重視していますが、日本ではあまり使いません。また、日本では延命処置をしないことが緩和医療につながると理解している医療者は少ないです。点滴の針を刺したり、尿道にカテーテルを入れて、つらい思いをさせます。水分も過剰に投与するので 痰(たん)が多く、痰を吸引する苦しみを与えています。ストレスから消化管出血もよく起こします。誤嚥性肺炎を繰り返し、発熱や呼吸困難が起きます。問題は濃厚な延命処置を行って、患者を苦しめていることに気がついていない、あるいは気がついても目をつぶっていることと思います。その視点に立つと、日本では緩和医療がおろそかにされていると思いますというのが印象に残りました。 (Sさんより)