口は災いの"素"

音楽テクニカルライター布施雄一郎のポジティブなネガティブ語録/独り言編

サラウンド

2013-05-20 23:00:00 | 日々是日常
昨日のサカナクション幕張ライブ、
朝の情報番組で取り上げられてたんですね。




   *****


で、昨日、SNSなんかでいろんな人の感想を読んだり、
意見を聞いたりしたんだけど、昨日のドルビーサラウンド。

イマイチ効果が分からなかったという人も少なくなかったし、
相方も、初日はあんまり分からなかったと言っていました。

サラウンドって、一般的には
『後ろから音が聴こえる!』『頭の周りを音が一周する!』
といった特殊な効果が取り上げられることが多いですが、

僕が一番スゴイと思ったのは、「INORI」や「Aoi」のコーラスが、
会場全体を包み込んだ響きです。

あれは、一般的なディレイやリバーブをいくら駆使しても、
ステレオ2chでは実現不可能な音場です。

それともうひとつ、Cブロックの一番後ろ
つまりは、アリーナの最後方でも、
最前列とほぼ同じサウンドが聴けたこと。

これは、特筆すべきものだったと思います。

だから、一般のお客さんにとっては、
『普段より楽しかった!』『アリーナなのに、音がよかった!』
というくらいにしか、感じなかったかもしれません。

でも、当たり前に、あの会場で音楽を自然に
堪能できたということが、最大に彼らへの賞賛の言葉だと思うし、
最大のサラウンド効果だと思っています。

もちろん、彼らは専門家相手にライブをやっているわけではないので、
それが『スゴイ!』と褒められることを目的にしているのではなく、

『サカナクションの音楽に全身が包まれる』

と感じることができたのであれば、それこそが
チーム・サカナクションが追及したものなのではないかと。
だから、大阪公演に行く方には、そこを楽しんでもらいたいです。

…とは言いつつ、音楽関係者、あるいは、
少しでも音楽や楽器に興味がある人にとっては、
あのサラウンドは、とてつもなく刺激的で驚異的でした。

『2chステレオ』という、
今まで当たり前に耳にしてきた音に考え方の根本を、
大きく揺さぶられた、そんな貴重な3日間でした。