ウォーク更家の散歩 (東海道、中山道、日光街道、奥州街道)

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中山道を歩く(完全踏破の一人旅)

バスで行く「奥の細道」(その40) 「曽良との別れ」(山中温泉:石川県) 2019.6.11

2019-07-22 19:49:05 | Weblog

( 写真は、「芭蕉と曽良との別れ」)

加賀の国(石川県)では、「金沢」を発った「芭蕉」は、「山中温泉」へと向かい、何と!、この温泉に8日間の長きわたって滞在しました。

芭蕉は、奥の細道の中では、いくつかの温泉地に宿泊していますが、これほど長く滞在した温泉は「山中温泉」だけです。

そして、山中温泉は、長らく奥の細道を共に旅をしてきた「曾良との別れの地」でもあります。

実は、曾良は、越中(富山県)から金沢(石川県)に入るあたりから、体調不良で医者にかかっており、健康を害していました。

曾良は、几帳面で責任感の強い性格だったので、師である芭蕉の同行者として、何かと気を使い、そこから生じたストレスで腹痛となり苦しんでいた、と言われています。

ここ山中温泉に、8日間も浸かって静養するも、回復せず、このままでは、師匠である芭蕉の足手まといになると考えます。

幸いなことに、金沢からは、芭蕉の弟子の「北枝」(ほくし)が新たに随行していることもあって、曾良は、山中温泉で芭蕉と別れ、伊勢長島の親戚をたよって一人で旅立ちます。

 

我々のバス旅行は、山中温泉の守護寺である「医王寺」に到着しました。

山中温泉で、芭蕉と曾良が、最初に訪れたのが「医王寺」です。

医王寺は、下の写真の様に、温泉街を見下ろす高台に建っており、薬師如来が祀ってあります。

医王寺の宝物館には、松尾芭蕉が山中を訪れた際に忘れていった「芭蕉の忘れ杖」が収められているそうです。

境内には、下の写真の芭蕉句碑がありました。

”山中や 菊はたおらぬ 湯の匂” (芭蕉)

(山中温泉は、延命長寿の効果のある湯の香が満ち満ちている。あの謡曲「菊滋童」(注)の様に、菊を折ってその葉の露を飲む必要はない。)

(注)「菊滋童」(きくじどう):中国の周の王に仕えた童で、不老不死の薬である菊の葉の露を飲んで700歳まで生きた。

 

我々のバス旅行は、医王寺を出て、山中温泉の中心街を散策します。

「山中温泉」は、奈良時代に行基が発見したとされる名湯です。

芭蕉は、山中の湯を、有馬・草津と並ぶ「扶桑(ふそう:日本のこと)の三名湯」と称えました。

 

上の写真は、共同浴場「菊の湯(女湯)」(写真の左側の建物)に併設されている「山中座」で、山中節の唄や、芸妓の踊りなどの山中伝統の芸能演芸をやっているそうです。

上の写真は、共同浴場「菊の湯(男湯)」です。

山中温泉の総湯「菊の湯」の名称は、医王寺の芭蕉句碑でご紹介した”山中や 菊はたおらぬ 湯の匂” の句に由来しています。

芭蕉は、この「菊の湯」近くの老舗の温泉宿「泉屋」に宿泊しました。

写真は、「泉屋跡」の石碑です。

「泉屋」の主人の「久米之助」(くめのすけ)は、まだ14歳の若者でした。

芭蕉は、彼に俳句の手ほどきをして、更に、”桃の木の 其葉ちらすな 秋の風”(注)の1句を添えて、彼に「桃妖」(とうよう)の俳号を与えました。

  (注)句意:これから俳諧の道を歩もうとする若々しい桃妖よ、どうかその素晴らしい才能を伸ばしておくれ。桃の木は、久米之助(桃妖)を指しています。

この「泉屋跡」の近くに、上の写真の「芭蕉の館」があります。(200円)

入口には、芭蕉と曾良の別れの場面を再現した上の写真の石像と、そのときに詠んだ下の写真の二人の句碑がありました。

二人はこれまでの旅を振り返りながら、それぞれの思いを句に託しています。

”行行(ゆきゆき)て たふれ伏すとも 萩の原” (曾良)

 (病身のまま旅立ち、このまま行けるところまで行って倒れたとしても本望だ。出来ることなら萩の咲く野原で死にたいものだ。)

”今日よりや 書付消さん 笠の露”  (芭蕉)

(今日からは一人の心細い旅となる。笠の「同行二人」の文字を、笠に降りた露で消すことにしよう。)

ここ「芭蕉の館」には、芭蕉の奥の細道に関連する資料が展示されており、芭蕉が滞在した「泉屋」の隣の「扇屋」(泉屋の主人の桃妖の妻の実家)を修復した部屋もあります。

 

 

我々のバス旅行は、今晩の宿、ここ山中温泉の中心にある渓谷沿いの「ロイヤルホテル山中温泉」へ向かいます。 

 

 

 

 (「芭蕉の館」の展示資料から)

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4 コメント

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山中温泉 (hide-san)
2019-07-24 11:48:29
楽しそうですね。
山中温泉では、鶴仙渓を歩かれましたか?
山中温泉の鶴仙渓 (ウォーク更家)
2019-07-24 12:09:07
さすが!、鶴仙渓までよくご存知ですね。

鶴仙渓については、次回のブログで、早朝の渓谷散策の様子をご報告する予定ですので、お楽しみに!
山中温泉の別れ  (もののはじめのiina)
2019-07-27 09:06:07
奥の細道に連れ立った芭蕉と曽良は、山中温泉で別れたのでしたか。
                 ソラ~哀しかったでしょうね・・・(^_^;)
曽良の快復を温泉で癒そうとしたのですね。


> ブログ内で表形式が必要になったら、これをコピペして、数値や文字だけ置き換えて使わせて頂きます。
一覧にするには、参考のとおり便利です。^^
タグをコピペして <table> の頭のみ大文字にしてますから、 < を < 小文字にすれば使えます。



山中温泉の別れの原因 (ウォーク更家)
2019-07-27 10:02:37
ええ、芭蕉は、山中温泉で、何とか曽良の病を癒そうと考えて長逗留したのでしょうね。

しかし、ストレスのもとの芭蕉と一緒では回復しないと悟ったのでしょう、ソラ~哀しかったと思いますよ。

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