ウォーク更家の散歩 (東海道、中山道、日光街道、奥州街道)

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中山道を歩く(完全踏破の一人旅)

国立西洋美術館 (世界遺産)  2019.3.1

2019-03-30 06:22:10 | Weblog

(写真は、国立西洋美術館の円柱で支えられた
1階)

2016年、フランスの建築家ル・コルビュジエが
設計した上野の「国立西洋美術館本館」が
世界遺産に登録されました。

登録理由は、コルビュジエの”近代建築運動への
顕著な貢献”で、フランスの10作品等、日本も
含めた7か国・17作品が登録されました。

私としては、登録理由が、いまいちピンとこない
ので、先週、そのヒントを求めて、上野の
「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ ― 
ピュリスムの時代」展に行って来ました。

コルビュジエが設計した「国立西洋美術館」で、
彼の絵画作品を観れば、登録理由が理解出来る
かも知れないと思ったからです。

(現在、”国立西洋美術館・開館60周年記念”
として、5月19日まで上野で開催中
:1,600円:月曜休館)




国立西洋美術館は、そもそも、川崎造船所社長
だった松方幸次郎が、ヨーロッパ各地で集めた
「松方コレクション」(絵画、彫刻)を中心に
昭和34年に設立された美術館です。

松方コレクションは、戦後フランス政府に接収
されましたが、フランス政府によりその一部が
日本に返還されることになりました。

これは、松方がパリのロダン美術館の開館費用を
援助したことへのお礼の意味もあったようです。

このときのフランス政府の返還条件が、これらの
返還美術品を展示する国立西洋美術館を建設する
ことでした。

こうして、国立西洋美術館は、フランス人の
コルビュジエの設計で建設されました。

この様な経緯もあり、西洋美術館の前庭では、
以下の写真のロダンの彫刻が無料で見られます。



(考える人)


(地獄の門)


(カレーの市民)


館内に入ると、1階は、円柱で支えられた、壁の
ない空間の「19世紀ホール」です。


ここには、コルビュジエが設計した建物の模型、
工事に関する説明等が展示されていました。



前頁の写真は、2階の企画展の展示室へと進む
スロープですが、2階から先は撮影禁止(注)
です。

(注:意外なことですが、国立西洋美術館の常設展
は、フラッシュを使わなければ写真撮影が許可
されています。

国立西洋美術館は、スロープや自然光を利用した
照明などが特徴で、これらは、日本の戦後の建築
に大きな影響を与えたそうです。

また、国立西洋美術館は、コルビュジエの理念の
”無限に成長する”美術館で、展示品が増えて
きても、必要に応じて、外側へ増築するスペース
が確保出来ているそうです。

1階の19世紀ホールから2階の企画展の展示
スペースへと、スロープで回遊して行きます。

2階の展示スペースは撮影禁止なので、NHK探検
バクモン「世界遺産 国立西洋美術館」の映像と
ナレーションでご説明します。

絵を展示する空間としては壁が命なので、その
壁の前の柱は、一見、邪魔な様に思えますが、
しかし、これには、コルビュジエの意図がある
そうです?

この建物の壁は20メートルと長いので、それを
柱によって敢えて分断して、6.35メートル毎に
柱を置き、わざと空間を区切っています?

これは、言ってみれば”反則技”なのだそうです。



これにより、柱がまるで額縁の様な効果をもち、
目の前の絵画に集中出来る空間をつくっている
のだそうです。

う~ん・・・、なるほどね。

展示されているコルビュジエの西洋美術館の
設計図(撮影禁止)を見てみると、アバウトな
1枚だけです?

縮尺の目盛はキチンと入っているものの、この
簡単な1枚だけでは、建物は建てられない
でしょ~?

う~ん・・・、コルビュジエ程の巨匠ともなると、
イメージ図みたいな設計図だけを日本に送って、
あとは弟子たちが勝手に詳細を設計して建てた、
ということ?

建築家として知られるコルビュジエですが、今回
の展示は、建物の模型などの建築関係の資料と
併せて、彼の絵画作品も多く展示されています。

第一次大戦後、「ピュリスム」を主催する
コルビュジエは、時を同じくして隆盛期を
迎えた「キュビスム」と対峙しました。

ピュリスムと対峙したキュビスムのピカソ、
ブラックなどの作品も併せて展示されている
ので、両者の違いが分かり易いです。

「ピュリスム」だの「キュビスム」と難解な気が
しますが、ここの展示室入って、ピュリスムと
キュビスムの作品をいくつか見ると、あ~あ、
そういうことか、と簡単に理解出来ます。



展示室を見終わって、再びロビーに戻って
きました。

美術館を出るときに、国立西洋美術館がなぜ世界
遺産なのか、もう一度考えてみました。

それは、現代日本の建築の多くが、コルビュジエ
の設計思想を既に取り入れて建築されており、
それを我々は日常生活の中でたくさん見ている
ので、逆に、国立西洋美術館を斬新で目新しく
感じないのかなあ~、と思いました。


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4 コメント

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世界遺産の価値観  (もののはじめのiina)
2019-03-10 10:14:44
西洋美術館は、比較的あたらしい建物なのに、どうして世界遺産の価値があるかは分かり辛いです。

> 西洋美術館は、コルビュジエの理念の”無限に成長する”美術館で、・・・外側へ増築・・・スロープで回遊・・・
この点は、テレビ「世界遺産」で解説されていて、美術館の知恵が詰まっていると思いました。

世界遺産の価値観は、西洋人が中心に決めるので西洋文化関連が登録される割合が高いです。

階段に雛飾りなどは、鯉のぼりを数千単位で吹き流す再利用で活気を帯びています。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/29014898d32e3ea0fa9df31c247b88c6



世界遺産は西洋文化の価値観 (ウォーク更家)
2019-03-10 11:29:18
ええ、何故、比較的新しいコンクリートの建物の西洋美術館が、世界遺産の価値があるのか、よくわからなかったので出掛けた次第です。

そうですよね、どうしても世界遺産の価値観の基準は、西洋文化の価値観中心になりがちですよね。

iinaさんのブログを見て出掛けた1,200匹が泳ぐ相模川の鯉のぼり、懐かしいです。
探求心 (tadaox)
2019-03-10 23:53:55
コルビジェのどこが評価されたのか。
疑問を細部にわたって検証する探求心に恐れ入りました。

実は親戚〈故人〉に日本ではかなり評価の高かった建築家がいて、熊野・鎌倉・袖ヶ浦などに資料館や美術館などを残しているので、建築の命について思いを致したところです。

多方面にわたる探訪ご活躍を楽しみしております。
疑問への探求心 (ウォーク更家)
2019-03-11 07:22:54
探求心についてのお褒めの言葉を頂き恐縮です。
嬉しいです。

親戚の建築家の方は、歴史に残る資料館や美術館を建てられていて凄いですね。
そういう意味では、建築家という職業は羨ましいです。

ええ、当時の報道は、世界遺産に登録されてよかったねというだけで、コルビジェのどこが評価されたのか、よくわかりませんでした。

建築には素人ですが、今回展覧会に行ってみて、何が評価されたのかは、世界の建築の流れの中の1棟としてみないといけないのだと分かりました。

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