朝日新聞夕刊のニッポン人脈記 現在のシリーズは「ブラックジャックたち」。
昨日の掲載記事に取り上げられた人物は、
94歳という高齢の医師とその門下生。
問診と聴診の達人だそうだ。
聴診器が使えぬ医師、検査データに頼る医療を嘆く。
問診と聴診で患者の心と体の声を聞いてくれたら、
苦痛に喘ぎつつ、検査に振り回される重病人がどれほど救われることか。
かたや、医師のトレーニング機関の理事長と理事。
共にアメリカで修行したり、医師・教授として勤めたり。
やはり検査漬けの日本の医療に異を唱え、
「日本の医療の半分は無駄」と。
さらには、「なんと簡単に薬を出すのだろう」
まさに。
病に落ちた途端、薬に次ぐ薬で体は声無き悲鳴を上げる。
この記事の結びに、
「日本の医師は根本的な病気の診断をせず、症状ごとに対症療法的に薬を出すことが多い」と。
そして、「派手な手術をするわけではなくとも、的確な診断ができる医者たちもまた命を救うブラックジャックだ」とある。
まさに、まさに。
的確な診断なしに、なんの手術か?
十数年前。
娘を産みに実家に戻ったとき。
母のあまりのやつれように驚き慌て、放置していた父を責めつつ、病院に連れて行った。
近所の内科医で、市民検診という名の下に各種検査を受け、腎機能不全を発見。
泌尿器科に紹介してもらい、早速診察に連れて行く。
このとき、既に、腎臓が働いていないため、むくみ・味覚異常・微熱・だるさなどが大きく症状として出ていた。
検査の結果、やはり腎機能不全だが、原因がわからないから、
"とりあえず"腹部に穴を開けて、管を通し尿を体外の袋に取るようにして、"とりあえず"腎機能を回復させましょうという。
母自身はもうすでに諦めたように、医者が言うならしかたがないと俎板の鯉状態だ。
体のだるさが無気力に拍車をかけている。
冗談じゃない、と怒りを抑えつつ、
とりあえずとはいつまでか?
原因はどうやって解明するのか?
日常生活や入浴などの際の感染症の心配はないのか?
と尋ねる。
医師からは明確な答えはなく、とにかくこのままではよくないから、
「とりあえず、とりあえず」を繰り返す。
我慢しきれなくなって、とりあえずじゃ困ります、と言い切り、
原因も判らないのに体に穴を開けて、それで済ませてどうするんですか?
と詰め寄る私。
医師はしどろもどろに言い訳を繰り返す。
とうとううちでは調べようがないからと、渋々総合病院への紹介状を書いてくれた。
で、総合病院では、さんざんっぱら調べまくって原因がわからず、最後にまさかで検査した婦人科で卵巣嚢腫が見つかったのだった。
肥大した嚢腫が尿管を圧迫変形させ、尿の排出を阻んでいた為、腎臓が腫脹し機能停止していたのだ。
その年、母は卵巣を摘出し、尿管にステントを入れ腎機能の回復を図った。
以来、私は先行きの見通しなく、とりあえずを口にする医者を信用しない。
とりあえずはこの先どうするかを見定めた上で使う言葉である。
華麗にメスを振るうだけではないブラックジャック先生が増えてくれることを心から望む。
昨日の掲載記事に取り上げられた人物は、
94歳という高齢の医師とその門下生。
問診と聴診の達人だそうだ。
聴診器が使えぬ医師、検査データに頼る医療を嘆く。
問診と聴診で患者の心と体の声を聞いてくれたら、
苦痛に喘ぎつつ、検査に振り回される重病人がどれほど救われることか。
かたや、医師のトレーニング機関の理事長と理事。
共にアメリカで修行したり、医師・教授として勤めたり。
やはり検査漬けの日本の医療に異を唱え、
「日本の医療の半分は無駄」と。
さらには、「なんと簡単に薬を出すのだろう」
まさに。
病に落ちた途端、薬に次ぐ薬で体は声無き悲鳴を上げる。
この記事の結びに、
「日本の医師は根本的な病気の診断をせず、症状ごとに対症療法的に薬を出すことが多い」と。
そして、「派手な手術をするわけではなくとも、的確な診断ができる医者たちもまた命を救うブラックジャックだ」とある。
まさに、まさに。
的確な診断なしに、なんの手術か?
十数年前。
娘を産みに実家に戻ったとき。
母のあまりのやつれように驚き慌て、放置していた父を責めつつ、病院に連れて行った。
近所の内科医で、市民検診という名の下に各種検査を受け、腎機能不全を発見。
泌尿器科に紹介してもらい、早速診察に連れて行く。
このとき、既に、腎臓が働いていないため、むくみ・味覚異常・微熱・だるさなどが大きく症状として出ていた。
検査の結果、やはり腎機能不全だが、原因がわからないから、
"とりあえず"腹部に穴を開けて、管を通し尿を体外の袋に取るようにして、"とりあえず"腎機能を回復させましょうという。
母自身はもうすでに諦めたように、医者が言うならしかたがないと俎板の鯉状態だ。
体のだるさが無気力に拍車をかけている。
冗談じゃない、と怒りを抑えつつ、
とりあえずとはいつまでか?
原因はどうやって解明するのか?
日常生活や入浴などの際の感染症の心配はないのか?
と尋ねる。
医師からは明確な答えはなく、とにかくこのままではよくないから、
「とりあえず、とりあえず」を繰り返す。
我慢しきれなくなって、とりあえずじゃ困ります、と言い切り、
原因も判らないのに体に穴を開けて、それで済ませてどうするんですか?
と詰め寄る私。
医師はしどろもどろに言い訳を繰り返す。
とうとううちでは調べようがないからと、渋々総合病院への紹介状を書いてくれた。
で、総合病院では、さんざんっぱら調べまくって原因がわからず、最後にまさかで検査した婦人科で卵巣嚢腫が見つかったのだった。
肥大した嚢腫が尿管を圧迫変形させ、尿の排出を阻んでいた為、腎臓が腫脹し機能停止していたのだ。
その年、母は卵巣を摘出し、尿管にステントを入れ腎機能の回復を図った。
以来、私は先行きの見通しなく、とりあえずを口にする医者を信用しない。
とりあえずはこの先どうするかを見定めた上で使う言葉である。
華麗にメスを振るうだけではないブラックジャック先生が増えてくれることを心から望む。