バス運転士になるためには、大型二種免許は必須です。これがないと肝心のバスが運転できないため、全員が取得するものです。
但し、折角バス運転士になりバス業界に足を踏み入れたのだからそれ以外でキャリアアップになるような資格を取得したいとお考えの方も多いかと思います。
今回は、現実的なキャリアアップの仕組みを踏まえた上で、「どの様な資格を取得することが望ましいか?」について、私なりに記事を書きたいと思います。
通常、バス運転士として就職して仕事を3年経験すると、会社からステップアップに対する相談を受けると思います。
大手バス会社で、未経験入社で路線バス3年経験の場合、高速バスや観光バス部門や運行管理者などの内勤業務への配置転換が一般的です。
もちろんそのまま路線バスを続けることもできますが、その場合は役職者などの責任ある担当者になることを勧められることが多いです。
要するに、勤務3年目位から会社内のコアな社員としての仕事が始まると考えていただけると、良いかと思います。
これは、入れ替りの激しい大きな会社特有の人事選考制度です。ある程度の定着の本気度を確かめる期間が、3年位ということが昔からあります。
バスの運転が本当に好きな方は、高速バスや観光バス運転士になり、ゆくゆくは指導運転士になる方もいます。
しかし、運転が人並みレベルの場合は内勤業務への配置転換か路線バス運転士を継続することが一般的です。
今回は、その中で運行管理者などの内勤業務に配置転換がされたことを例に、事前に取得を勧める資格を紹介したいと思います。
運行管理者になる場合に最低限必要な資格として、「運行管理者「補」(旅客)」が挙げられます。
これは、NASVAなどの国土交通省が指定する研修機関で3日間の基礎講習を受講し、最後の簡単な考査に合格することで取得が可能です。
私の場合は、指定された自動車学校で基礎講習を受講しました。
合格後、「運行管理者等指導講習手帳」が発行され、晴れて運行管理者の仕事につくことができます。
但し、この「運行管理者「補」(旅客)」は、あくまでも運行管理者資格を持った人間のサポート業務であり、本来は「運行管理者(旅客)」の資格がないと全ての運行管理業務はできません。
そのため、運行管理者として全ての運行管理業務を行うためには、「運行管理者(旅客)」に合格することが必要です。
この試験は、合格率30から40%の国家資格で難しい資格ではありませんが、きちんとした勉強をしないと合格が難しい資格です。
因みに受験資格として、「運行管理者「補」(旅客)」の資格が必要ですので、バス運転士のうちに取得する場合は、上記の3日間の基礎講習を受講する事が必要です。
さて、運行管理者(旅客)資格も取得した後は、運行管理業務を行う場合に必須の資格はございません。
よって、バス運転士におすすめの資格は、大型二種免許を除いては「運行管理者(旅客)」という結論になります。
しかしその他で、持っていると望ましい資格としては、危険物取扱者乙種4類と国内旅行業務取扱管理者になります。
特に運行管理者と車両管理を兼務希望される方は、危険物取扱者乙種4類を取得して整備管理者への道筋を付けるのも良いかもしれません。
また、運行管理者と観光営業職も兼務して収入を増やしたいと考えている方は、国内旅行業務取扱管理者の資格があると営業もしやすいと思います。
私の場合、会社の勧めと観光業務に興味があったため国内旅行業務取扱管理者を先に取得しました。
一般的なバス運転士の方は、車両管理に興味がある方が多く、圧倒的に危険物取扱者乙種4類に人気が集まります。
また、危険物取扱者乙種4類の資格を持っていると将来的にタンクローリーのドライバーに転職がしやすくなるため、潰しのきく資格として広く知られています。
まとめとして、バス運転士の場合は「運行管理者(旅行)」を運転士の時から取得しておけば、この業界で長く勤める事が可能になると感じます。
運転士をやっていると、健康面で事業用自動車の運転が難しくなるケースが多々あります。
その際に「運行管理者(旅客)」資格を取得しておけば、最悪仕事がないことは回避できると考えます。
余力がもしある場合は、危険物取扱者乙種4類と国内旅行業務取扱管理者も取っておけば万全と感じます。
因みに、危険物取扱者乙種4類と国内旅行業務取扱管理者は受験資格がありませんので、誰でも受験が可能になります。
もしも、バス運転士になって何かやることを探している方がいらっしゃったら、資格取得も趣味として考えられるのもいいかと思います。