わが家(いは)ろに 行(ゆ)かも人もが 草枕
旅は苦しと 告(つ)げ遣(や)らまくも
=巻20-4406 大伴部節麻呂(おほともべのふしまろ)=
我が家に行く人がいてくれるといいのだが。旅は辛いものだと伝えたいものだ。という意味。
大伴部節麻呂(おほともべのふしまろ)は上野国(かみつけののくに)の防人。
「家(いは)ろ」は家のことで、東歌に多い東国のなまり。
「行(ゆ)かも人もが」は、行クの未然形+推量ムの連体形の訛りのモ+ヒト+願望のモガ(係助詞モ+終助詞ガ)で、行ク人ガイルトイイノダガ。「遣(や)らまくも」は、ヤルの未然形+推量のムと接尾語クで作られ名詞化するマク+詠嘆のモ。
この万葉歌碑は群馬県高崎市の高崎自然歩道、マップ13地点に建っている。
解説板には、「おれの家に行く人がいないものか、防人の旅はつらいと、言い伝えてやりたいものだ。」とある。
わが家(いは)ろに 行(ゆ)かも人もが 草枕
旅は苦しと 告(つ)げ遣(や)らまくも
巻20-4406
常陸指し 行かむ雁もが 我が恋を 記して付けて 妹(いも)に知らせむ(20巻4366)