クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ドヴォルザークの交響曲第8番ト長調 ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ

2007年02月14日 04時47分46秒 | 交響曲
日中の陽気はすっかり春です。
早朝は幾分冷えますが、トコトコ走るにはちょうど良い気温。気持ちいい季節になりました。

さて、今日はドヴォルザークの交響曲第8番ト長調 作品88。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1974年5月、ルカ教会での録音。東独のエテルナ原盤。
ベルリン・クラシックスの廉価輸入盤なので、今は800円くらいで買える。
このコンビの録音としては初期のものになるのではなかろうか。

演奏は豪放快活。ふだんは端正で質朴な演奏の多いこのコンビにしては珍しい、スケール雄大でダイナミックな演奏。

第1楽章の序奏部を過ぎると、勢いのある音楽は怒濤の如く押し寄せてくる。
奔流のようなドヴォルザーク。緩急の差が大きく、ダイナミック・レンジも広い。
チェロの響きは甘やかで暖かい。ぬめりさえ感じる肌触りが艶めかしいほど。その優しく柔らかい響きは全編で聴ける。
各楽器のバランスが良く、オーケストラ全体の音が見事なまでにまろやかに融け合う。クリーミーな味わいさえする、素晴らしい響きだと思う。
さすが、ドレスデン・シュターツカペレ。そしてルカ教会の音響。

第2楽章も、グイグイと抉るような演奏。強弱の差が大きく、表現の幅が非常に広い。感情的な進め方と云ってもいいかもしれない。ブロムシュテットにしては、大変個性的な表現と思う。
ヴァイオリンのソロが泣かせる。美しく意味深い響きで、その余韻がまた綺麗。

ドヴォルザークの8番交響曲が、これだけスケール大きく、巨大な交響曲として演奏されるのは珍しいんじゃないか。
そして、オケのメンバーが生き生きと、楽しそうに吹いている、弾いている、叩いている。ティンパニなど実に爽快、気持ちいいくらいブッ叩いている。

第3楽章はワルツ。舞曲の楽しさ。
ドヴォルザークのボヘミア気質丸出しの旋律だが、ブロムシュテットの指揮はここでは格調高く端正なもの。民謡の美しさだけに終わらせないぞとでも云っているか、背筋が伸びて気骨ある演奏を行っている。
ここでも、ドレスデン・シュターツカペレの響きが見事で、感動的。

終楽章は堂々の辺箏曲。それぞれの楽器はこれ以上ないくらい存分に鳴り渡り、しかも形が崩れない立派さ。トランペットやホルンも見事。惚れ惚れする響き。圧倒的なコーダも素晴らしい。

それにしてもブロムシュテットの音楽づくりの見事さ。
この人がドレスデン・シュターツカペレと組んだ数々の録音こそ、至芸というべきなんだろう。
ホンマに名コンビだった。

録音も十全。ルカ教会の残響が美しく、アナログ的な柔らかさも味わい深いです。
これが廉価盤で買えてしまう幸福。
日本での初出以来、世評では、話題にならなかった演奏かもしれませんが、エエですぞい。

<ドヴォルザークの8番交響曲 過去のエントリー>
★ドホナーニ/クリーヴランド管
★サヴァリッシュ/フィラデルフィア管
★セル/クリーヴランド管
★スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
★ジュリーニ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管






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