クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ハイドンの交響曲第99番変ホ長調 ギュンター・ヘルビッヒ/ドレスデン・フィル

2007年01月27日 06時42分13秒 | 交響曲
今日はハイドンです。

交響曲第99番変ホ長調 (Hob.I:99)。
ギュンター・ヘルビッヒ指揮ドレスデン・フィルの演奏。
1974年1月、ドレスデンのルカ教会での録音。ドイツ・シャルプラッテンの原盤で、このCDはedelから出ている廉価盤のロンドンセット。

ハイドンのロンドン・セットは、愛称がない交響曲も名作揃い。
この99番もそうで、実にハイドンらしい、愛らしい佳品だと思う。

第1楽章はアダージョ~ヴィヴァーチェ・アッサイ。
序奏部の雄大さから一転、快速快活で実に軽やかな演奏が進んでゆく。聴きながら思わず小走りに走り出したくなるような演奏。ヘルビッヒのリズム感がとても良く、それに反応するドレスデン・フィルがまた鋭敏で実にイイ。
そして、何度でも書くが、ドレスデン・ルカ教会の音響!
柔らかく温かく、極上の音響空間を作り出す。この安らぎ、この心地よさ。たまらない。
第2楽章はアダージョ。てゅんはんくらいの、いかにもハイドンのアダージョらしい落ち着いた音楽。優美で豊か、ふっくらと穏やかな表情が愛らしい。
特に、弦楽セクションと木管セクションの会話が美しい。木管のアンサンブルは生地でデリケート。フルートとファゴットが中でも良い。ドレスデン・フィルの能力の高さはここからも分かる。
ドレスデンのオーケストラは、まずもってドレスデン・シュターツカペレであるとは思うが、2番手オケのドレスデン・フィルでもこの巧さ。いやはやなんとも、ドイツって(東ドイツと云うべきか)、すごいですねぇ。侮りがたい、これは名演でありますな。

第3楽章メヌエットの速度指示はアレグレット。優美な音楽で、古典的な佇まい、端正なつくり。ヘルビッヒの指揮も、背筋が伸びて、正統的・格調高い音楽づくりを目指している感じ。
オケ後方で鳴るトランペットの奥ゆかしいまでの美しさ。オーケストラ全体とよく融け合って、全く美しい。素晴らしい響き。

終楽章はヴィヴァーチェ。第1楽章の明朗が戻って、爽やかなフィナーレになっている。ヘルビッヒ/ドレスデン・フィルの安定した響きに包まれて、極上の音楽世界に浸れます。

録音もしっとり落ち着きがあって聴きやすいもの。
キラキラとした鮮やかさはないが、これぞルカ教会の音とでも云うべき、木質の、使い込んだ道具の感触のような、懐かしささえ漂う柔らかさが素晴らしい。
良い音だと思います。




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