ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1987年4月25日付 Aretha Franklin and George Michael - I Knew You Were Waiting (for Me)

2023-04-23 20:35:11 | 1987年ビルボードTop40
1987年ビルボード Billboard All American Top40、1987年4月25日付、この週2週目の1位はAretha Franklin and George Michaelの"I Knew You Were Waiting (for Me)" 。Aretha Franklinのアルバム『Aretha』からのシングルです。Aretha Franklinですが、初のTop40ヒットは1960年代、以来この曲で、39曲目のTop40ヒットで、1967年のNo.1ヒット"Respect"を含め、6曲目のTop3ヒット、2曲目のNo.1です。George Michaelは、Wham!での6曲を含め、この曲で9曲目のTop40ヒットで、"Wake Me Up Before You Go-Go"を始めとする3曲のNo.1ヒットを含め、6曲目のTop3ヒット、4曲目のNo.1です。

2位は3位からアップ、Crowded Houseの"Don't Dream It's Over"。Crowded Houseですが、オーストラリア出身のロックグループ、アメリカでの初のシングルヒットが2位まで上がってきました。

3位は4位からアップ、Princeの"Sign O' The Times"。Princeですが、もちろん皆さんご存知の天才ミュージシャン。「and the Revolution」となっている場合と、個人の場合がありますが、この曲は、ボーカルはもちろん、すべての楽器をPrinceが演奏し、「Prince」ソロとなっています。1979年に最高位11位を記録した"I Wanna Be Your Lover"からこの曲で通算14曲目のTop40ヒット、"When Doves Cry"など3曲のNo.1を含め、6曲目のTop3ヒットとなりました。

4位は6位からアップ、Jody Watleyの"Looking For A New Love"。Jody Watleyですが、以前ちょっと私のブログでも触れましたが、ソウル・ボーカルグループShalamarの元メンバー、この曲はソロになってからの初めてのヒット曲、Shalamar時代には、3曲のTop40ヒットを持っています。

5位は10位からジャンプアップ、Cutting Crewの"(I Just) Died In Your Arms"。Cutting Crewですが、イギリスのロックグループ、この曲がデビューシングルで、5位まで上がってきました。

2週目の1位はAretha Franklin and George Michaelの"I Knew You Were Waiting (for Me)" 。1位はこの2週間、年間チャートは36位。Hot100には17週、Top40には12週と、短いヒットになりましたので、年間チャートこそ低めでしたが、大物ボーカリストのデュエットが、大ヒットになりました。

まずは、Aretha Franklinですが、デビューは50年代まで遡ります、その時はまだ10代です。初のTop40ヒットは"I Never Loved a Man" 、最高位9位を記録、さらには、その曲が入った彼女10枚目のアルバムから、初の全米No.1ヒット"Respect"が生まれます。その後70年代にかけてヒットを積み重ね、この87年までで、通算39曲目のTop40ヒットで、6曲目のTop3ヒット、2曲目のNo.1です。なんと20年ぶりのNo.1ヒットとなりました。まさに、ソウル界の女王、「クイーン・オブ・ソウル」とも呼ばれる、ソウル界の大スターです。

そのAretha Franklin、70年代後半から、しばらく大ヒットがなかったのですが、1985年にリリースした通算30枚目となるアルバム『Who's Zoomin' Who?』が久し振りの大ヒット、このアルバムから、"Freeway of Love"が第3位を記録するなど、シングルも4曲がTop40に入りました。こちらをご覧ください→→→
続いて1986年にリリースした彼女の次の31枚目のアルバム『Aretha』からは、まずは2曲のTop40ヒットが生まれ、この曲が3枚目のシングルカット曲です。

そしてGeorge Michael、こちらももうご存知ですよね、同級生のアンドリュー・リッジリーとデュオWham!を結成、2枚目のアルバム『Make It Big』がアメリカを含め、全世界で大ヒット、特に、Wham! Featuring George Michaelとして発表した"Careless Whisper"が年間チャート1位に輝く大ヒット、この曲は名曲中の名曲として、全世界でも大ヒットします。

そのアルバム『Make It Big』からは、3曲のNo.1ヒットを含め4曲のTop3ヒットを出す驚きのアルバムとなりました。続いて発表したアルバム『Music from the Edge of Heaven』からは、4曲がTop10ヒットとなります。Wham! のアルバムに収録されていますが、"Careless Whisper"と、"A Different Corner"は、アーチスト名は「George Michael」、実質的には、George Michaelのソロの曲でしたので、George Michaelとしては、Wham!での6曲を含め、この曲で9曲目のTop40ヒットで、"Wake Me Up Before You Go-Go"を始めとする3曲のNo.1ヒットを含め、6曲目のTop3ヒット、4曲目のNo.1となりました。"A Different Corner"は、こちらをご覧ください→→→

"I Knew You Were Waiting (for Me)" ですが、邦題は「愛のおとずれ」、前述のように、Aretha Franklinの31枚目のアルバム『Aretha』収録曲です。
曲の作者はSimon ClimieとDennis Morganの共作。Simon Climieですが、イギリスのポップデュオClimie Fisherのメンバーで、ソングライターとしても、Pat Benatarの"Invincible"を作った人です。Dennis Morganですが、こちらはアメリカ人のソングライター、82年のヒット曲Sylviaの"Nobody"など、主にカントリー系の曲を作っていた人です。

この二人のソングライター作の曲に、プロデューサーはあのNarada Michael Walden、面白い組み合わせですね。そこに希代のボーカリストAretha Franklin と George Michael、ヒットしないわけはありません。


今週 先週 song / artist
1 1 I KNEW YOU WERE WAITING(FOR ME) / ARETHA FRANKLIN & GEORGE MICHAEL
2 3 DON'T DREAM IT'S OVER / CROWDED HOUSE
3 4 SIGN 'O' THE TIMES / PRINCE
4 6 LOOKING FOR A NEW LOVE / JODY WATLEY
5 10 (I JUST) DIED IN YOUR ARMS / CUTTING CREW
6 2 NOTHING'S GONNA STOP US NOW / STARSHIP
7 12 LA ISLA BONITA / MADONNA
8 8 THE FINER THINGS / STEVE WINWOOD
9 5 MIDNIGHT BLUE / LOU GRAMM
10 13 WITH OR WITHOUT YOU / U2
11 11 WALKING DOWN YOUR STREET / BANGLES
12 15 STONE LOVE / KOOL & THE GANG
13 7 LEAN ON ME / CLUB NOUVEAU
14 16 DOMINOES / ROBBIE NEVIL
15 18 COME AS YOU ARE / PETER WOLF
16 19 WHAT'S GOING ON / CYNDI LAUPER
17 9 COME GO WITH ME / EXPOSE
18 21 HEAT OF THE NIGHT / BRYAN ADAMS
19 24 THE LADY IN RED / CHRIS DEBURGH
20 20 CAN'TCHA SAY/STILL IN LOVE / BOSTON
21 28 TALK DIRTY TO ME / POISON
22 31 BIG LOVE / FLEETWOOD MAC
23 25 SERIOUS / DONNA ALLEN
24 32 NOTHING'S GONNA CHANGE MY LOVE FOR YOU / GLENN MEDEIROS
25 34 RIGHT ON TRACK / BREAKFAST CLUB
26 14 TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT / GENESIS
27 30 SHIP OF FOOLS / WORLD PARTY
28 35 I KNOW WHAT I LIKE / HUEY LEWIS & THE NEWS
29 39 YOU KEEP ME HANGIN' ON / KIM WILDE
30 17 LET'S GO! / WANG CHUNG
31 37 SE LA / LIONEL RICHIE
32 22 SMOKING GUN / ROBERT CRAY BAND
33 42 ALWAYS / ATLANTIC STARR
34 41 IF SHE WOULD HAVE BEEN FAITHFUL / CHICAGO
35 40 THE RIGHT THING / SIMPLY RED
36 46 WANTED DEAD OR ALIVE / BON JOVI
37 44 GET THAT LOVE / THOMPSON TWINS
38 51 DAY-IN DAY-OUT / DAVID BOWIE
39 50 MEET ME HALF WAY / KENNY LOGGINS
40 45 YOU CAN CALL ME AL / PAUL SIMON

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36 コメント

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ジョージ・アレサの魅力、そしてMTVも。 (音時)
2023-04-23 21:22:57
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/11474160.html
この曲の和訳はアレサの訃報のときにしていました。当時人気の絶頂期のジョージの魅力、そしてレディソウルの女王アレサの魅力、このぶつかり合いが楽しめる楽曲ですよね。またMTVもよくできてる。最初は画面のなかに移ってたアレサがいつの間にかリアルに一緒に歌います。そして最後にアレサのウインク!たまらないですよね。
 ジョージの歌うパートに“I kept my faith”という歌詞が出てきます。これサイモンクライミーが敢えて歌詞に入れたのかなー?。ジョージのソロアルバムのタイトルはご存知“Faith”ですよね。偶然にはできすぎてます。こういう細かいところに気がついてニヤッとしてしまうのが、洋楽フリークの性!? (^_^;)。
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20年ぶり (hannah)
2023-04-23 21:44:35
星船さん、こんばんは。
「Queen Of Soul」Arethaのなんと20年ぶりの№1ですね。
70年代後半からの低迷期から85年の♪Free Way Of Love♪で見事復活し、勢いそのままに№1になりました。
G.Michaelの力に負う部分もあるでしょうが、やはり彼女のヴォーカルは聴きごたえあります。
ところで20年のブランクを経て№1になった例は珍しいと思います。
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Unknown (太ったボンジョビ (  `ο´))
2023-04-23 23:11:37
サードシングルで貫禄の1位ですか?なんとも不思議な切り方していますな?せめてジミリーの時にこちらを持ってくるのが普通なのでは?
歌がうまい同士、というか歌のクセが強い女と歌がポップス史上最高に上手な男のデュエット!曲もまあまあ上品ですな?
でも実は87年では最も1位曲の中では存在を忘れ安い曲でありました。その後も含めてジョージマイケルがNo.1を取りすぎたせいかも。
とにかく前アルバムのラストのフリーダムのあと、そっからこの年の年末アルバム発表までの間にいろいろヤりすぎですよね?それらがまたいちいち良かったのがニクい。
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Unknown (ダークディスコ)
2023-04-24 00:44:06
デニス・モーガンはロニー・ミルサップのsmokey mountain rainやi wouldn't have missed it for the worldのライターで、クライミー&モーガンではアニモーションのroom to moveやロッド・スチュワートのmy heart can tell you noも書いています。
アレサの曲の最高位は1位から20位までのうち12位と15位以外全てあるというのもなかなかの記録(笑)。彼女の歌いっぷりはただうるさいだけと言う人もいるようですが、最強にして最高、60年代の全盛期も凄いですが80年代の少し枯れた感じも味わい深いものです。
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この二人が (星船)
2023-04-24 18:18:01
音時さんこんばんは。
やっぱり、ソウルの女王と人気絶頂のジョージですから、この二人が一緒に歌えば、そりゃあヒットしますよね。それに加えて「ジョージがアレサを尊敬していて、アレサもジョージを認めた」とのこと、息もぴったりでした。
この年の秋にはジョージの初のソロアルバム『Faith』が大ヒットしますが、歌詞の「Faith」、間に合って入れたのか、偶然だったのか、面白いですね、良く見つけたものです、さすが音時さんです。
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他にも (星船)
2023-04-24 18:20:20
Hannahさんこんばんは。
10年以上の時を経ての大ヒットで見事復活、そしてついに20年ぶりのNo.1まで上り詰めましたね。
20年以上ブランクがあってのNo.1、他にありましたよ。思いついたところは2アーチスト。まずはビーチボーイズ、"Good Vibrations"の1位が66年の終わりころ、それから22年後の88年に、見事"Kokomo"での復活1位でした。で、もうひとりは、シェール、74年のNo.1ソング"Dark Lady"から、24年後の98年の突然の大復活、"Believe"のまさかの年間チャートNo.1ヒットがありました。
ちなみに、アルバムの方ですが、サンタナ、71年のアルバム1位『Santana III』から、99年の『Supernatural』まで、28年のブランクがありました。
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サードシングルがこの曲 (星船)
2023-04-24 18:21:37
太ったボンジョビさんこんばんは。
おっしゃるとおり、不思議なシングルのリリースでした。もしファーストシングルがこの曲だったら、もっとヒットしたかもしれませんが。
この曲については、私にとっては、ジョージ・マイケルよりも、アレサ・フランクリンの方が強烈で、アレサのついに20年ぶりのNo.1ヒット、として、この曲があります。
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デニス・モーガン (星船)
2023-04-24 18:22:36
ダークディスコさんこんばんは。
さすがですね、デニス・モーガンさんのことまでご存じとは。本文には、「主にカントリー系の曲を作っていた人」と書きましたが、なんとアニモーションに、ロッド・スチュワートですか、いろんな曲作るのですね。
アレサは、特に60年代後半から、70年代前半にかけて、ずいぶんたくさんTop40ヒットがあるもんだ、と思っていましたが、そうですか、もうちょっとで20位まで全部揃うところまでいっていたとは、そう思うと残念でした。
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Unknown (太ったボンジョビ ( ´-` ))
2023-04-24 21:14:37
アリーサの復活は確かにめでたい事ではありましたし、ファーストシングルはとんでもないカバーのジャンペンジャックで良かったとも思うんですよ。超大物が超大物をカバーしてチャートに入れるなんて、この組み合わせ以上のものは史上ないことですものね。
一方でこのヌユワウェイレンはサビの強さに対してAメロBメロと変調部がちょっと凡庸かな?て感じでありました。イントロは余裕で思い出せるのに歌い出しが分からなかったなあ。
さて音時さんブログで歌詞を知りましたがサビはダイアナのエンノーマウンテンをなぞっておりますかな?
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"Jumpin' Jack Flash" (星船)
2023-04-24 23:02:32
太ったボンジョビさんこんばんは。
アレサ版"Jumpin' Jack Flash"もなかなかのものでしたね。PVも面白かったですよ。ギターを弾いているのはキース・リチャード、ロン・ウッドでしょうか。アレサのボーカルはなかなかの迫力です。
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