ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【排水トンネル】難波先生より

2013-09-07 12:41:21 | 難波紘二先生
【排水トンネル】私は福島原発の事故レベルはチェルノブイリ原発事故(レベル7)以上だと、当初から発言してきた。何者によるのか知らないが、ネットにこのメルマガの発言は記録されている。

 http://ameblo.jp/cancersurvivors/entry-10964120598.html
 「福島原発事故はまだ終息していない」、というのが真実だろう。政府やメディアの報道に騙されてはいけないと思う。
 メディアは最近になって「チェルノ以上」という報道を流し始めた。


 福島新報編集局「福島と原発」(早大出版部)を読んだが、全篇弁明と無用なディテールの羅列で失望した。原発誘致から事故までの、「福島新報」の報道検証があるかと思ったが、それが全くない。小出裕章「騙されたあなたにも責任がある:脱原発の真実」(幻冬社新書)ではないが、「福島新報」は地元紙として、「騙した」のか、「騙された」のか、そこが明瞭でない。


 日量、400トンの地下水が福島第一原発周囲に流れ込んでいるという。一口に「汚染水」というが、それは原子炉に近づく前から高度に汚染されているのか、それともメルトダウンした原子炉をに近づくから汚染されるのか。報道があいまいだが、恐らく後者だろう。


 雨水の地下への浸透速度は通常年間1メートル、事故後3年だから、3メートル程度にしか達していないはずだ。「国土地理院」の1/2万5000地図を見るかぎり、原発の西にある山と原子炉との間には500m位の距離がある。ここに降った雨が、地下に浸透し深部地下水となって原発に到達するには最低でも50年くらいかかる。


 ちなみに、今私が住んでいる場所は、地形的には福島第一原発の立地条件によく似ている。北側に標高550mの横走する山塊があり、奥行き約750mの南向き緩斜面をなして、標高差150mのわが宅地に至る。地下には20mと40mのところに、2枚の岩盤がある。第一岩盤の上の「表層水」は今の雨の影響を受けるが、第二岩盤の下の「深層水」が自宅敷地に達するにはずいぶん時間がかかる。裏山に降った水が、わが家の地下50mにある「深井戸」に達するには「100年かかる」というのが、私の計算だ。つまりわが家は大正時代の水を飲んでいるのだ。


 で、原発の西にある山はせいぜい高度が75m程度で、その西には「長者原」という平地が広がっていることを指摘した。この山の西側高度50mの地点から、長さ500mの地下トンネルを掘り、地下水の流路を東山麓側から西山麓側に変え、汚染されない地下水を長者原にある川に流し、福島第一原発を迂回して、「水産種苗研究所」の南で海に放出すればよいではないか、と前に書いた。
 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?meshcode=56401755
 読者に福島県の関係者が3名はいるから、少しは反応があるかと思ったが、ぜんぜん反響がない。自分たちが住んでいる場所なのに、何を考えているのであろうか。福島原発を担当している記者も2名いるが、反応がない。残念なことだ。


 上記「福島と原発」によると「長者原はうっそうとした原野」と書いてある(p.142)。「戦時中は陸軍の飛行場が置かれ、戦後は一時、製塩業が行われた。面積約190万平方メートルで、東京ドーム40個分に当たる」(p.143)ともある。
 この本には、現地の詳細地形地図も載っていない。記者はいま原発がある「北原」地区とその西にある山間の「長者原」地区をごっちゃにして書いている。



 原発誘致をすすめる福島県に対して、東電は「原発運転に必要な地下水が出るなら、立地を考えてもよい」と回答し、福島県は1960年11月「県土地開発公社」を設立し、北原地区の地下水調査を行い、1963年にこの地区の用地買収を行っている(p.171-172)。「地下水が豊富」だったのであろう。地形から考えて当然だ。


 いま、この地下水がトラブルになっているのだ。東側の山裾全体が汚染されているのだから、表層水が汚染されている。それがさらに原子炉に近づくと、もっと汚染されるという構図だ。しかし表層水の汚染は長者原に出る表層水も同じはずだ。だったら、東斜面に流れる表層水を西斜面からトンネルを掘って、原発に近づく前に西側に流出させればよいではないか、というのが私の提案だ。原発に必要な水は、50mの深井戸を掘って、100年前のきれいな水を使えばよい。
 排水用トンネルは一度掘れば半永久的に使える。維持費はほとんどかからない。
 原子炉の回りに「永久凍土」を作るだの、原子炉を「空冷」するだの、テレビの「専門家」の非現実的で対費用効果を無視した「献策」にあきれた。


 メルトダウンした原発自体は、液体窒素(融点ー210度)で冷やせばいい。これも当初から私は主張してきた。絶対に爆発のおそれはないし、もともと空気中に80%含まれている元素だ。空気中のチッソは稲妻や根瘤バクテリアにより、アンモニアに変えられ、肥料になる。ためらうことはない。
 猟師が放流に反対したら、今のままで福島産の魚介類を誰も買わないのと、どっちが得か、決めさせたらよい。


 政府は9月になると、新対策を発表するというが、このままでは姑息的な案にしかならないだろうと思う。思い切った発想の転換ができる政治家はいないものか。
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