ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【新聞書評】難波先生より

2017-08-29 12:16:41 | 難波紘二先生
【新聞書評】最近は新聞書評のレベルが落ちたなと思う。総合月刊誌の記事も同様だ。金を払ってまで、「読みたい」と思わせる書評や記事が少なくなった。

 8/13「中国」に「在日三世」と断って、黒田勝弘「隣国への足跡」(角川書店)の書評を書いていた人があった。「李淳馹・ノンフィクションライター」という人物だがとんと見当がつかない。この書評の致命的欠陥は、そもそも「黒田勝弘」なる人物が何者かまったく書かれていないことと、彼が何ゆえ共同通信から移籍してまで、ソウルに35年間も産経記者として留まっているか、ということが書いてない点にある。書評は読者に買う気にさせなければ意味がない。
 調べて見ると、李淳馹にはスポーツ(ラグビー)の本しか著書がない。これでノンフィクションライター? 産経の黒田勝弘を知らないなんて、業界のもぐりといわれても仕方がないだろう。「共同」はどうしてこんな人物を書評者に選んだのかと思う。
 
 同日の「産経」は同じ本の評者に関川夏央を起用していた。彼の書は「戦中派天才老人・山田風太郎」(マガジンハウス、1995/4)を面白く読んだが、風太郎「人間臨終図鑑」を真似した最近の「人間晩年図鑑 1990ー94年」(岩波書店)は愚作だと思う。
 だが同じ文字数でも、関川書評は黒田勝弘の経歴、彼がなぜ日本人記者として最初に自由に朝鮮語が読み書き、話せるようになり、日本新聞の韓国報道を一変させたのか、原点は「北朝鮮への帰国」を賛美する記事を書いたことへの痛恨の念にあることが書いてあり、読者の興味を誘うに十分だ。
 私も黒田記者の韓国への愛を込めた辛口の「ソウル便り」は「産経」に載る度に真っ先に読んでいる。この本もさっそくアマゾンに注文した。


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