ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ヘビのウロコ】難波先生より

2014-07-13 22:25:11 | 難波紘二先生
【ヘビのウロコ】
<Unknown (アリスト):2014-07-08 10:54
虹彩の色は死後の変化もあるでしょうし確定させるには不十分ですね。体の周囲の鱗の数(体列鱗数)を数えてみてください。19列あればシマヘビ、23~25列あればアオダイショウです。>
 留守中に家内に「お父さんの研究室の窓が開きっぱなしだ」といわれて、娘が仕事場に入ったら、A3のビニールフォルダーの上に、解剖したヘビが横たわっていて「臭かった」そうだ。生物学でPh.D.をもらっているだけに、非難めいたことはいわない。家内は動物学出身の「医学博士」だが、今や「普通のおばさん」。ヘビの解剖死体を机の上に放置していると知ったら、逆上するにちがいない。
<体の周囲の鱗の数(体鱗列数)を数えてみてください。19列あればシマヘビ、23~25列あればアオダイショウです。>
 ご教示ありがとう存じます。ウロコの列数を数えてみました。下の(1)は背側、下の(2)は腹側の写真です。腹側下面には幅の広い1枚ウロコがありますから、腹背合わせてのウロコ列数は奇数になるはずです。腹側の淡青色のウロコは、3+1+3=7。背側の黒っぽいウロコは18列。合計で25列あるようです。
(1)

(2)


 そうするとこのヘビは「アオダイショウ」ということになりますね。背中は青くないので、名称は腹側の色に由来するのかも知れません。
 今回、解剖してみて気づいたのですが、このヘビのウロコはとても軟らかく、属名が「Elaphe」(ギリシア語で鹿皮)と命名された理由がわかったような気がしました。実際に擦れると半透明の薄いウロコは簡単にはがれ落ちます。たぶん、ヘビが脱皮できるのはウロコの部分がとれやすいからでしょう。確か、脱皮した抜け殻を見るとウロコの部分は透明に見えます。下図は剥がれたウロコで、長さは5ミリから9ミリくらいあります。

 魚のウロコとヘビのウロコが全然違うことを認識しました。同じ脊椎動物でありながら、ヘビやトカゲは脱皮するのに、なぜ魚類は脱皮しないのであろうか?
 この間、問題にしてきたヘビは、薦田弁護士のご指摘のように、シマヘビでなく「アオダイショウ」だということで、宿題を終えたいと思います。

 駄弁を弄すれば、昔の農家はつくりが開放的で、鼠も出没すれば、それを目当てにアオダイショウも住みついていました。しかし、今は田舎でもサッシ窓のセミ洋風の住宅が普及し、機密性も高くなってきたので、鼠が出没する機会はなくなり、これに伴ってアオダイショウの生態も変わり、動きの鈍いヘビなので道路横断中に交通事故に遭う機会もふえたのではなかろうか、と思います。動物図鑑の「生態」の項に改訂をお願いしたいところです。
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