ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書評など】鈴木炎『エントロピーの冒険』/難波先生より

2015-05-20 07:32:47 | 修復腎移植
【書評など】
 1)エフロブ「買いたい新書」の書評No.269に鈴木炎『エントロピーの冒険』を取りあげました。副題に「初心者のための統計熱力学」とある。
 人類はアフリカで誕生して間もなく,「木片を擦り合わすと火ができる」ことを知った。火の発明の根底にある「運動が熱に転換する」という暗黙知は,19世紀に熱力学が誕生しエネルギーとエントロピーという概念を確立するまで,説明できなかった。本書は,時間論や情報論の根底にある「エントロピー」について,概念の創生から熱力学第二法則の発見をへて,それが情報科学や生命科学と結びつくまで,約200年の歴史を「人物物語」として分かりやすく解説している。大学理学部で「化学熱力学」講義を担当する著者は統計熱力学の専門家ではないが,進んだ理系高校生を読者対象として想定したという本書は,優れた「エントロピー解説書」になっていてお薦めです。
 http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1430982553

 前に、アインシュタインのE=mc2という有名な方程式に「名前がない」と書きましたが、その後コリンズ社の「Science」辞書を調べていたら、「Mass-Energy Equation(質量=エネルギー等式)」という項目があるのを見つけました。「アインシュタインの方程式」と書いた本もありました。私の勉強不足でした。「質量=エネルギー等式」あるいは「アインシュタイン方程式」と訂正いたします。

 SI(国際標準)単位で、m=質量のKg、c=真空中の光速/秒のメートル数、E=エネルギーのジュール数と説明されています。
 仮に1Kgのウラニウムが完全にエネルギーに転化するとすれば、E=1X 30万X1000=3億(ジュール/秒)の熱量に相当する。これはワットに換算すると、30万キロワット/秒になる。

念のためにコリンズ辞書をネットで調べたら「Mass-Energy Law(質量=エネルギー法則)」に変わっていた。手許の紙版辞書は2005年のものだ。こういう基礎的な分野でも名称が変わるようだ。http://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/einstein-s-mass-energy-law
 日本語では「岩波理化学辞典」にも日本語WIKIにも載っていない。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/E%3Dmc%C2%B2

 それにしても相対性理論の「Special」(特殊)、「General(一般)」という日本語訳語は何とかならないと思う。1905年にアインシュタインが「質量=エネルギー法則」を見つけた時には、原子量が十分に大きい元素の特例と考えていたので、ドイツ語原文でspeziellという用語を用いたのかも知れないが、general theory は一般に「総論」といい、個別の場合をspecial theory(「各論」)という。1915年に彼は「General Theory of Relativity」(相対性理論総論)を完成して、「質量=エネルギー法則」はこれにより説明できるようになった。
 物理化学が「暗記科目」から脱するには、用語の上でも工夫が必要だと思う。

2)献本お礼=「医薬経済」5/15号(医薬経済社)の恵送を受けました。お礼申しあげます。
今号には「放置され続けるHPVワクチン」という子宮頸がん予防ワクチン接種にからまる問題が特集されている。これについては「ヘルス・プレス」からも執筆依頼を受けているので、できるだけ早くEvidence Basedの論説をまとめたいと思う。
 ポイントは単純で、ワクチンは副作用があってもHPV由来子宮頸がんを防ぐことができるが、他のHIV, クラミジア、淋菌、梅毒に由来する性病を防ぐことはできない。
 そのことをワクチンを受ける女性はどの程度、理解しているのか?
 ということにつきる。要するに「万病予防薬(パナケイア)」などないのだ。
もう一つ、鍛冶孝雄「読む医療:インタープリターという自由意思の正体」というM.ガザニガ『<わたし>はどこにあるのか』(紀伊國屋書店)をめぐる議論と、喜多村悦史「この国につけるクスリ:偏差値秀才は医師志望」という記事も、注目に値する。
 5/19日経は去る4月に開かれた「日本医学会総会特集」を2頁にわたり掲載している。高久史麿日本医学会長、井村裕夫学会会頭の講演主旨などを取りあげているが、私がもっとも共鳴したのは日野原重明(聖路加病院名誉院長:over 100歳老人)が引用している、精神科医で思想家の神谷美恵子の言葉、「人間がもっとも生き甲斐を感じるのは、自分がしたいと思うことと義務とが一致したときだ」という文言だった。
 ただ、私が彼女の言葉に一抹の疑問を感じるのは、「もしISのメンバーであるなら、義務(非戦闘員の殺戮)と自分がしたいと思うこと(永遠の天国に生きる)ということは、完全に一致するだろうな、という点である。

3)麻野涼(高橋幸春)『死の臓器』TVドラマ化へ=
 作家高橋幸春が、筆名「麻野涼」で書いた小説「死の臓器」(文芸社文庫, 2013/2)がWOWOWで全5話のテレビドラマ化され、第1話が7/12(日)22:00~(無料放送)されるそうだ。
http://eiga.com/news/20150519/3/

 冒頭は富士青木ヶ原樹海で自殺した女性に、片方の腎臓がなかったというところから始まる。
 主人公の病腎移植を取材するジャーナリストには、小泉元首相の長男小泉孝太郎、病腎移植の執刀医(万波誠)には武田鉄矢が扮するそうだ。
 日経の「禁断のスカルペル」も新聞小説としては近年にない好評と聞いている。

 こうやって、インディペンデント・ジャーナリストが「修復腎移植」について、理解を深めてくれて、その真実と普及のために努力してくれるようになったのが嬉しい。

 前に何度も述べたように、私は「修復腎移植」実現のために「STAP事件」を「売名」のために利用しているにすぎないし、高原史や田中紘一はその阻害物として叩きのめそうとしているにすぎない。個人的には恩も恨みもない。「義」のためにそうせざるをえないので、一刻も早くこういう事態が終わってほしいと思っている。
 もう四國新聞、愛媛新聞、中国新聞などブロック紙は支持の立場にシフトしている。
 全国紙の記者諸氏の視点転換を切に希望したいと思う。
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-05-20 08:09:50
仮に1Kgのウラニウムが完全にエネルギーに転化するとすれば、E=1X 30万X1000=3億(ジュール/秒)の熱量に相当する。これはワットに換算すると、30万キロワット/秒になる。

?? cが2乗されていない?
こまかいですが、J/s=W/s??単位の話をされているので、J/s=Wですよ、と突っ込みます
Unknown (Unknown)
2015-05-20 09:15:44
http://ja.wikipedia.org/wiki/E%3Dmc%C2%B2

この関係式で、質量 1 kg をエネルギーに変換すると、光速度 (c) = 299 792 458 m/s であるから、次のようになる。
8.987 551 787 368 1764×1016 J と等価
2.496 542 1632 ×1010 kWh と等価
21.480 764 31 Mt の TNT の熱量と等価

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