ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【本の値段】難波先生より

2019-02-28 14:23:03 | 難波紘二先生
【本の値段】
 先週月曜日の夜、広島市で会合があり遅くなったので帰りは広島駅までタクシーに乗った。さもないと西条駅行きに乗り遅れるかも知れない。タクシーは客待ちがすぐに拾えた。山本夏彦は「景気の良し悪しは、タクシー乗り場の客の数を見れば分かる」と週刊誌の写真コラムに書いた。運転手の話だと「景気回復の気配はない」という。

 さて斎藤美奈子「日本の同時代小説」(岩波新書、880円)をほぼ半分読み上げた。この本には参考文献と作家索引(生没年のみ)がある。文献リストに中村真一郎「この百年の小説」(1974, 新潮選書)が落ちているのに気づいた。当時は有名な文芸評論家だったので、タイトルに何となく記憶があった。Updateした書籍DBには収納書棚の位置が記入してあるが、この本は所持しているが位置が不明である。「たぶん文芸書が多い書架Fだろう、と脚立を使って探したら果たして見つかった。
 目次を開いて驚いた。ジャンルを1.「青春」,2.「恋愛」,3.「老年」,4.「少年」,5.「心理」,6.「感覚」,7.「家庭」,8.「社会」,9.「歴史」,10.「滑稽」,11.「西洋」に分け、各章で10人程度の作家作品を取り上げている。

 それがみな駄作で、今日ではほとんど全く読まれていない作品である。辛うじて丸善創業150周年を記念して梶井基次郎「檸檬(レモン)」が一過性に売れている程度だ。中村のこの本は全くの駄作である。駄作になった理由は、主観的に無理なジャンル分けをし、日本史の時間軸を無視したことにある。
 最近の新聞広告に、この中村光夫「この百年小説」(講談社文芸文庫、1900円)が載っていた、文庫本で1900円とはえらい高いな…と思い。新潮選書版の定価を見たら650円だった。たった45年間に3倍に値上がりしている。果たしてこの値段で売れるだろうかと疑問に思っている。

 来週2月25日(月)にアップする「買いたい新書」書評は
466(NF/薬物学入門書/毒と薬/作用機序/総合文化誌:
鈴木勉(監修)『ビジュアル版 毒と薬:全ての毒は「薬」になる?!』(新星出版社, 2017/1, 223頁, ¥1,500)
の予定である。
 この本はA5サイズ・オールカラーでビニール表紙である。医師、薬剤師、臨床検査技師だけでなく学生・一般市民にも売れるだろうと思う。どうしてこんな美本で内容も良質な本が、たった1500円で売れるのか、私にはわからない。
(2/25付記:この書評は
https://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/
にアップされた。すでに約2,000万件のアクセスがある。)
 
 最近、私は「書店の本が売れるのは定価1500円まで」という仮説を提唱している。私自身も書庫スペースに限りがあり、やたら厚いハードカバー本はなるたけ買わないようにしている。
(米国立がん研究所が主体になって出している「Cancer(がん)」というがんの病理学・診断学・治療学の専門書の日本価格は5万5,000円もする。頁数も2,638頁ある。)

 辞書も日本語のものは厚くて重いので、Collins社の英語辞書「シソーラス」や「科学辞典」「経済学事典」、英語との併記がある「ドイツ語」「フランス語」「スペイン語」「ラテン語」「ギリシア語」のペーパーバック辞書を愛用している。これだと移動式書架の3棚に収まる。
 iPADやiPhoneが普及すると、Kindle版の電子ブックが当たり前になり、紙本は私のように線を引き、書き込みをしながら読書する人にしか売れないようになるかも知れない。
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