ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

修復腎移植訴訟/意見書

2015-03-24 12:31:48 | 修復腎移植
意 見 書
                                  野村 正良
私たちは、この裁判で修復腎移植の妥当性を証明するとともに、虚偽の発言で修復腎移植を否定し、厚生労働省による臓器移植法のガイドラインの改正、つまり修復腎移植の禁止を誘導し、患者の治療の選択権と生存権を侵害した被告の先生方の違法性を明らかにするのが狙いです。
慢性腎不全のため透析生活を余儀なくされている人たちの状況は苛酷で、大きなリスクがつきまとっています。健康を回復するためには腎移植しかありませんが、国内ではドナーが極めて少なく、移植を望んでも大半の人がそのチャンスに恵まれないまま亡くなっているのが現状です。
そこで、ドナーの大幅な増加に大きな期待が寄せられている修復腎移植が一日も早く再開され、透析患者の方々が一人でも多く救われることが、私たちの願いです。
治療のために摘出され、捨てられている腎臓を修復して利用する修復腎移植は、移植を望む透析患者の方々にとって宝の山であり、また移植した腎臓が将来駄目になる可能性がある移植者にとっても、頼みの綱なのです。

この裁判の原告になっていただいた透析患者の方々も、修復腎移植に最後の望みを託し、松山地裁でその妥当性と被告の言動の違法性を訴えてきました。しかし、体調が徐々に悪化し、裁判の期間中に次々と亡くなられました。本当に悔しく、無念でなりません。
昨年12月には、最後の一人だった広島市の藤村和義さんが、3度目の脳梗塞を発症し、入院中の広島市の病院で亡くなられました。68歳でした。藤村さんには、裁判の期間中、不自由な体を押して毎回のように松山地裁まで足を運んでいただきました。昨年3月には本人尋問にも応じていただきました。
しかし、透析生活が10年近くと長くなり、血管の石灰化が進むなど、体調が悪化していて、心配していたところでした。
藤村さんが亡くなられたことで、7人の原告のうち透析生活を送っていた4人の方々が全員亡くなられました。ほかの3人は香川県の長谷川博さん、岐阜県の花岡淳吾さん、愛媛県の二宮美智代さんです。
また原告になることを予定していて、提訴の直前に相次いで亡くなられた広島市の下西由美さんと兵庫県の有末佳弘さんを含めると、「犠牲者」は6人になりました。残った原告はいずれも移植者で、愛媛県の向田陽二さん、田中早苗さんと私の3人だけとなりました。
このような事態をみても、透析生活がいかに過酷で、リスクが大きいかということがよく分かると思います。
亡くなられた6人の方々は、修復腎移植が禁止されなかったら、あるいは早期に再開されていたら、全員助かっていたかもしれません。これらの皆さんは、修復腎移植の悪宣伝を行い、厚生労働省の禁止方針を誘導した被告の先生方に見殺しにされたようなものです。先生方の責任は大きいと思います。

移植を望む多くの透析患者の方々は、移植がかなわないまま、今も日々亡くなられています。透析患者の方々には、残された時間はあまりないのです。
それにもかかわらず、被告の先生方は、透析患者の声に耳を傾けず、事実とは異なる理由を次々と持ち出し、修復腎移植を否定してきました。しかも、この問題が表面化して以来、これまで8年余り、自らの言動の誤りを省みることもなく、修復腎移植の可能性などについても検討すらしていません。
移植医療を先頭に立って推進すべき先生方が、大きな可能性を持つ修復腎移植に真剣に向き合おうとせず、他人事のような態度を取っているのはなぜでしょうか。その姿勢はあまりにも理不尽で、私たちには理解できません。

私たちが特に申し上げたいことは、宇和島徳洲会病院の万波先生らが進めてこられた修復腎移植は、手続きの面などで問題がなかったとは言えませんが、修復腎移植そのものには問題はなく、海外の移植学会では「ドナー不足を解消するすばらしい医療」と絶賛されていることです。
また国内では、70人を超す超党派の国会議員の先生方で組織する「修復腎移植を考える超党派の会」が「修復腎移植は第三者機関がチェックすれば、何ら問題はない。患者さんのために推進すべきだ」との趣旨の意見書を厚生労働大臣に提出しています。香川県議会、愛媛県議会、秋田県議会も相次いで同様の意見書を提出しています。
さらに当初、学会と歩調を合わせていた厚生労働省も、その後、大きくスタンスを変え、修復腎移植の臨床研究を促す通達を全国の都道府県や中核市に出しました。これを受けて徳洲会グループが臨床研究に取り組んできました。一昨日には、宇和島徳洲会病院で15例目の手術が行われたばかりです。
こうした状況にもかかわらず、被告の先生方は学会の看板を盾に、修復腎移植をつぶしてしまおうと、相変わらずヒステリックな態度で反対を続けています。その姿は異様としか言いようがありません。

万波先生らの執刀によって修復腎移植を受けた人たちは、ほとんどが健康を回復し、社会復帰しています。私もその一人で、51歳のとき、ネフローゼの腎臓による移植を受け、今年15年目を迎えました。現在までトラブルはまったくなく、腎臓の機能は正常です。おかげで健康的な生活を送ることができ、定年まで元気に勤めることができました。おまけにその後5年間、嘱託として勤めることもできました。本当にありがたいことです。
万波先生から移植の話があったとき、先生はこう言われました。「移植する腎臓はたんぱくがぼろぼろ出ていて、成功率は五分五分。ダメもとでやってみんかな」と。私は「移植した腎臓が2年でも3年でも持てばその間、透析をしなくてすむ。それ以上持てばラッキー。ほかに助かる方法はない」と思い、二つ返事で承諾しました。
結果は想像以上で、修復腎移植のすばらしさを身をもって実感しています。それだけに、修復腎移植が一日も早く再開され、多くの透析患者の方々に、私と同じように元気になっていただきたいと願っています。

こうした事実を検討していただき、公正な判断をお願いしたいと思います。
                                    以上

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