ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【読書率】難波先生より

2014-06-27 08:42:44 | 難波紘二先生
【読書率】
 1970年代後半に米国に留学したとき、「平均的アメリカ人は年に1冊くらいしか本を読まない」と知り、驚いたことがある。TVが普及したせいだ。英語に慣れるために家電店にTVを買いに行ったら、すでに台湾製と日本製が安く売られていた。「どっちがよいか?」と店員に聞いたら、「どっちも同じだ。中身は日本製だから」といわれた。
 ホームパーティに呼んだ同僚やボスから、「何でTVがあるのか」ともいわれた。知的階層はテレビを見ないで新聞や本を読む。ハワイの娘夫婦の家にも、パソコンは何台もあるがTVはない。子どもはiPADでゲームをしたり動画を見たりしている。

 6/25「朝鮮日報」が<文昌克氏が首相候補辞退、指名から14日で>と報じている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/25/2014062501568.html
 「先月には安大熙(アン・デヒ)元大法院(最高裁)判事も首相候補を辞退している。2人の首相候補が国会の人事聴聞会も行うことなく相次いで辞退するというケースは、韓国憲政史上初めて。現政権の発足直前、首相に指名されたものの辞退した金容俊(キム・ヨンジュン)元憲法裁判所長まで含めると、朴大統領就任から1年4カ月の間に3人の首相候補が辞退したわけだ。このような人事の失敗で、朴大統領のリーダーシップは少なからぬ打撃を受ける結果になった。」

 「高木正雄」と日本名を名乗っていた父親の朴正煕のことを大統領選で対立候補に暴露され、政権基盤を強化するため「反日全開」で突っ走って来た朴槿恵大統領は、旅客船セウォル号の沈没事故や慰安婦問題での外交的失敗により支持率の低下が生じるや、「親日派」でジャーナリストの文昌克を首相に指名したが、また断られてしまった。わたしは、朴槿恵は「冒頭から反日全開なので、いずれ行き詰まり、任期を全うできないだろう」と前に書いたが、相継ぐ「手帳メモ人事」の失敗は、国内でも政権にコミットすることへのデメリット感が強まっているということだろう。
 (ここまで書いて6/26「ロイター」が
<[ソウル 26日 ロイター] - 韓国の朴槿恵大統領は26日、旅客船沈没事故に伴い引責辞任すると表明していた鄭ホンウォン首相を留任させることを決めた。過去の発言などの問題化でこれまでに2人の首相候補が就任辞退に追い込まれたことを受けたもので、大統領の指導力に疑問符が付きそうだ。>
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0F10IB20140626
 と報じているのを知った。これでは国民感情が許すまい。支持率はまた下がるだろう。本当に任期を全うできない可能性が出てきた。)

 韓国は「議院内閣制」でなく、米国の行政制度に近いから、国務総理(首相)というのはアメリカの「国務長官」のようなものだろうか。普通の法治国家なら、日本の海上保安庁に相当する「海洋警察」の解体を大統領の一存で解体することなどできないはずだ。国会でしかるべき立法を必要とする。

 話がそれたが、別冊宝島「ザ・日韓対決:100番勝負」に両国の「年間読書率」が載っている。これは「年間1冊の本を読んだ人の割合」を示す。ランダムな個人アンケートの結果だろう。
それによると日本=48%、韓国=62%で、今や日本では年に1冊の本も読まない人が多数派になっている(2011,文科省データ)。本の定義、「読むこと」の定義が不明なので、参考資料にすぎないが、昨今は電車の中や待合室で本を読んでいる人をとんと見かけないので、感覚的には納得できる。情報はケータイ端末から断片的なものを仕入れているのだろう。IT普及国で、読書量が減り、出版不況が起こるのは、先進国に共通した現象だ。
 レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(早川文庫)では、書物が禁止された国家が描かれているが、ITがポータブル化すれば禁止しなくてもそうなるわけだ。テキストファイルと読み上げソフトを組み合わせれば、朗読を聴くことも可能だろう。

 もう一つ日韓の比較で驚くのは大学進学率の差で、日本51%、韓国71%と20ポイントの差がついている(2012年OECD資料)。日本の大学進学率は1960年には8%だったが、1970年に17%,80年に26%と漸増し2003年には41%に達している(「文科白書2003」)。「大学全入」時代を迎えても日本では二人に一人しか大学に進まないのに、韓国では71%というのに驚く。(もっとも同じ資料によると、世界一のオーストラリアでは96%)。
 韓国のこの急激な大学進学率の増加は、1960年代に始まった経済の急速な成長の結果だろう。
 韓国(朝鮮)人の識字率は
 1910: 10%
 1943: 22%
だったが、義務教育制が導入されてから飛躍的に伸びた。
1963: 93%
 2002: 97.9%(Time Almanac 2013)
となっており、貧困のため就学できなかった老人がいなくなると、日本と同様に識字率100%を達成するだろう。
 韓国の「六三三四制度」は日本に3年遅れて1950年から実施されたが、李承晩の「公文書ハングル化」政策もあって、わずか10年あまりで驚異的な識字率向上を達成している。
 儒教が「立身出世主義」と結びつき、これが「学歴主義」とつながった結果、韓国では猛烈な受験戦争が長く続くらしい。日本では主に理系の博士課程卒業者の就職率が54.4%(2003年)と低いのが問題になっているが、「高学歴」競争は早晩に韓国でも同様な問題に発展するだろう。
 試験には「競争試験」と「資格試験」の2種類がある。定員に限りがある大学入試は典型的な競争試験だ。他方、自動車運転免許試験や医師国家試験は資格試験で、合格者数にリミットはない。両国共に学歴競争を資格競争に転じる道はないものか…。
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